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NT LIVE「フランケンシュタイン」アンコール上映/ベネディクトCクリーチャー版

日本でもめでたくアンコール上映が行われたNT Live「フランケンシュタイン」。ベネディクトCクリーチャー、ジョニーL・M博士Version。たぶん5回目だと思うんだけど字幕版で見るのは初めて。何回もみてるので内容は殆どキャッチしているけど字幕はやっぱりありがたい。

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感想ツイ:
フランケンシュタイン」だん。缶バッチクリーチャーver. たぶん5回目位だけど今更気がついたこと。フランケン博士は創造主になりたかったわけだけど実際になってしまったことで今度は自らを葬りさらなくてはいけなくなったのね。これやっぱりダニーボイル監督のヴィジョン?なんだと思う。
あ、ヴィジョンは科学と宗教について、ね。監督はアイリッシュ系なのでカソリックのバックグラウンドだと勝手に邪推してるので。でも他作品からもそう思うの。しかし字幕はほんとありがたい。無しで見るよりずっといい。ジャンクじゃなければ、だけど。

好みでいったらジョニー・リー・ミラーのクリーチャーのほうが好きなのだけどベネディクトクリーチャーを見ていると彼の演技力がどれほど高度なレベルにあるかがつくづくわかる。アタマの中で描いてるであろう姿が完璧に表現できているのだ。いち観客が見ていても簡単にそう思わせる演技技術。特にこの世に生まれでるシーン。徐々に四肢の感覚というかMotorがつながってくるあの演技。本当に凄い。一刻も目が離せない。そして博士役ジョニー・リー・ミラーの存在感のなさといったらこれもまた凄い(ほめてますww)

今回改めて気づいたのがツイにも書いたけど博士が自らを滅ぼさなくてはいけない、ということ。しかも粉々に。北極点を目指しているのはそのため。クリーチャーは「望んで産まれてきたわけじゃない。でも産まれてきたからには全力で生き抜いてやる。」と宣言する。そう、彼は滅びない。

クリーチャーは他人が彼にしたとおりのことしかできない。子供と同じ。模倣することしかできない。攻撃されれば攻撃することしかできない。本編ではその触りしか感じることはできなかったけど彼が得たものは決してそれだけじゃないはずだ。じゃなきゃ「伴侶=愛」は求めない。人間は一人で生きていけない、愛するひとがひつよう。クリーチャーはそれをちゃんと知っていた。そして彼が本当に求めていたのはフランケン博士(=創造主)の愛。この辺りのことを考えると子が母に寄せる愛、が思い浮かぶ。特に息子の母に対する愛。そしてギリシャ悲劇「エレクトラ」までどんどん考えが飛んで行く。本当に凄い作品だ「フランケンシュタイン」。

原作もざっと目を通したけど、もちろん大きなファクターになってるとは思うけれど、やっぱり興味があるのはダニー・ボイル監督自身の「眼」だ。彼というフィルターを通した「フランケンシュタイン」にしか興味はない、と言える。少なくとも今は。