今日も明日もJOJさんとか色々と

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ネタバレあり!BW Les Miserables 私的感想 3/23~27 (2)

今回観たBroadwayのLes Miserablesで最も印象に残ったのは「時間」と「瞬間」の描かれ方。大げさな言い方をすれば、バルジャンを中心にジャベール、それにテナルディエなどの何十年にもわたる生き様を縦糸に、ファンテーヌやアンジョルラス、コゼットにマリウス、学生達などの一瞬の命のきらめきを横糸にちりばめたとでもいう感じかしら。

Les Miserablesは長い年月に渡る多くの登場人物の生き様を描いていますから、3時間近い作品ですが、とても展開が早いですよね。いつも場面場面はとても素晴らしいのに、年月の経過には、なにか心が追いついていかないようなところもありました。でも今回は最初からすとーんと胸に落ちてくるものがあり、心から納得して涙を流すことが出来ました。

一番はJOJさんのバルジャンがとても丁寧にしっかりと年を取っていくことがあったかなと思います。囚人時代のバルジャンの自分を19年間も牢屋につないだ人々、この世の中に対する憎悪。これ程荒んだバルジャンを観たことがあったかしら?司教様に会ってバルジャンという名を捨て、市長として生きるムッシュ・ラ・メールは満ち足りた紳士でゆったりと肥えている(笑)。中年らしくお腹がせり出していますが、姿勢も良く立派な姿。多分胴布団使用^^;。それが成長したコゼットを伴って貧しい人々に施すシーンではすっかり背が丸くなり時に足を引きながら歩き方も重く。長い年月コゼットを守って必死に生きて来たんだなあと瞬時に納得...(この後もBHHそして最後の場面までそれは続くのですがここはあとで役ごとにもう一回書きます。)もちろんジャベールやテナルディエにもそれぞれ感じる部分がありました。

一方で多くの登場人物のその瞬間の描き方にも感動しました。多くは途中で死んでいく人々ですが、どの人生にもきらめくような瞬間、人生を分けるようなその一瞬があるんだなということがしっかりと観ている側に伝わってくる。例えばアンジョルラスを私は当初からカリスマ性のある牽引力の強い人物と思っていました。でも今回のアンジョルラスは違いました。最初は姿だけでなく声まで、品の良いお坊ちゃまのような、温厚で真面目な青年。それがラ・マルク将軍の死を境に決意した顔つきと牽引力のある力強い声に。ファンテーヌの娼婦に身を落としながらも一抹のプライドを示す瞬間、エポニーヌがマリウスに抱かれて死ぬ瞬間の幸せそうな姿。その前のOn My Ownでの心の内の声をしっかり聞いた後のこの演技だからこそ、この一瞬の為に死んでも悔いはないと思う女心がダイレクトに伝わって来てもう泣けて泣けて...

今回のキャストほど、この部分を強く鮮明に感じたことはなかったと思います。なんというか、すべてにメリハリがあり、きちんと観ている側にもそれが伝わってくる演技の数々。3時間があっという間でしたが、しみじみとした感動と充実感で心が満たされた思いでした。

(3)に続く



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Inperial Theater入口


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ここでJ列中央付近。今回一番のお高い席でしたが、さすがに視界、音響共にバランス取れた席でした^^