今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

ネタバレあり!BW Les Miserables 私的感想 3/23~27 (3)

最後は役ごとに印象や感想など(今回もバリバリネタバレありですので、ご注意ください)


Jean Valjean(John Owen-Jones)

JOJさんのバルジャンを観られただけでも、もう言うことないのですが、そのJOJバルジャンが自分にとっての最高のバルジャンだったことがただ嬉しいです。過去にWEで見たバルジャン、日本で見たバルジャンと比較しても、最初の囚人時代はとても激しいバルジャンでした。自分をこのような目に合わせたすべてを憎み、運命を呪うようなあの目。司教様の招きで食事を頂くときの卑しいまでの食べ方。もうこの時は人としての尊厳など無くしてしまっていたのでしょう。これだけでも涙が出ました。

司教様に魂を救われたバルジャンが市長となりファンテーヌを助け、コゼットの養父となる...とストーリーが進んで、次にグッと来るのは老いていく姿。必死に守り育てて来た愛娘の恋にただおろおろする姿は、背も曲がって、古傷が痛むのか右足を引いて、どこにでもいる世の父親と変わらぬ姿。

バリケードのシーンでは、バルジャンはもう老体に鞭打ってるのが一目でわかる演技。一つ動くごとに大きなため息をついて。でもマリウスを見つめる目はまるで息子を見るようだし、他の学生たちに向ける目も慈愛に満ちている。彼らの命を惜しんでいるのが一目でわかります。その中で歌われるBring Him Home。コンサートで歌う時の方が朗々と響き渡るような声で歌っているかもしれません。でもこの時のバルジャンはもう力を振り絞って全霊を賭けて祈っています。目に涙を滲ませてマリウスと、多分ここにいる学生たちの為に思いの丈を歌に込めて。ここで毎日拍手が鳴りやみませんでした。しばらくショーストップに。

マリウスとコゼットを見つめ、これで自分の役目は終わったと悟り、ずっと隠してきた過去をマリウスに話して去って行こうとするバルジャン。一度捨てた過去の自分と最後に向き合うことを選んだのかしら?やはり自分はJean Valjean以外の何者でもないと。この決断をするシーンはもう、その心の内が手に取るように分かって、見ていても辛くて。ここはまるで思いの丈を込めて話す時の少し震えたような老人独特の話し方のようで、どうしたら歌でこれを表現できるのだろう、凄すぎる。

そしてバルジャンの死。慈愛に満ちた目でコゼット達をみつめ、微笑みかけながら神のもとへ。ここまでひたすら他者の為に命を惜しまず、懸命に生きて、年老いたバルジャンの生き様の、その説得力があるからこそ、

And remember
The truth that once was spoken
To love another person
Is to see the face of God!

最後の1フレーズがしみわたって、心の底から「お疲れ様でした。あなたはもう十分に務めを果たしました。どうぞゆっくり休んでください。」と見送る気持ちにさせられました。

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あらためて書いてみると、まるでLes Miserablesのあらすじを書いているようで、(?)っと思われるかも。でも今まではミュージカルだけを見て、ここまで納得できるようなきめ細かい芝居を見た記憶がない。JOJさん、あれだけの歌い手なのに、いつも歌より芝居って言われていますが、ファントムに続いてバルジャンでもそれを見せ付けられた思い。

場面の切り替わりごとに、鮮やかに経年変化を体現して見せてくれたJOJさんの芝居と合わせて、ヘアメイクさんと衣装さんにも拍手を贈りたい。最初の囚人では、髭のカットデザインと頬のシャドウでシャープさを、中年期はビシッとした衣装と胸下あたりを張らせた体型、年を取るごとに肩を落とし前かがみで歩き方も老人そのもの、それと同時に胴布団の位置も老人らしい位置に。さらにラストでは白蝋のように見える老人独特の肌色まで再現されていてもう言葉もありませんでした。

JOJさん、何かのインタビューで、今回のバルジャンではBring Him HomeよりWho am I?をどう演じるかに重きを置きたいというようなことをおっしゃっていたと思うのですが、わかったとは言い切れないけれど、何か感じ取れたかもと思いました。もうね、何がとかどこがとかいう前に、最初から最後までJean Valjeanがそこにいました。



バルジャンだけで一回終わっちゃった^^;
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三日目はとうとう最前列中央。指揮者の真後ろの席でした。



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劇場入り口では荷物チェックあります。少し早めに到着するほうが安心です^^