今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

ネタバレあり!BW Les Miserables 私的感想 3/23~27 (4)

役ごとの感想や思い出に残ったことを、前回に続いて、今回はジャベール以下主だった役ごとに書いてみました。

Javeat (Hayden Tee )

彼は最近までオーストラリアプロダクションのジャベールで、約10年前はWEでマリウスも演じています。当時のバルジャンがやはりJOJさんだったということで、ご縁浅からずという感じですね。

声もとても力強くて、JOJバルジャンと良いハーモニー。今まで私が見てきたジャベールは、感情を表に出さない監吏タイプか、クールを装っていても本来の善良さが滲み出るようなタイプ(私としてはこれはちょっと違う感じなのですが)。でも彼はそのどちらでもない、腹の底に怒りを秘めた、カミソリの刃のようなキレキレのジャベールでした。がっちりガードしているのに脆さが垣間見える感じ?すごく抽象的な表現ですが、この人はずっと太陽に憧れて、でも永遠にその光のもとにはたどり着けない月なんだなというイメージが浮かびました。彼の微妙な負け感がすごくいいんです。特にバリケードから逃がされて後、マリウスを背負ったバルジャンに出会った場面では、もうすでに負け感120% ーその追い詰められたような表情だけで見ている私まで胸が張り裂けそう...外見も実際はすごく大柄というわけではなく、どちらかといえばほっそりされているので、厚底ブーツや胴布団で大きく作って、全体にJOJさんより一回り小さい感じが絶妙のバランス、と思いました。その体格差が、僅差でバルジャンに負けていく感じをさらに説得力あるように見せているというか。もちろん歌唱も素晴らしいので、Starsはただただ圧巻。毎日拍手喝采でした。

演技中はJOJさんに引けを取らない堂々としたジャベール振りなのに、素はとってもフレンドリーな方のよう。私が滞在中はBroadway Caresのチャリティイベント中でしたが、カーテンコール後にJOJさんと二人でアナウンスされている最中、当初はまだジャベールを引きずっているのに軽快なスピーチが進むうちにみるみる柔らかな表情になっていかれて、最後はJOJさんと腕を組み、スキップしながら袖にはけていかれるチャーミングな方でした(笑)


Fantine (Alison Luff)

とても美しくて女性らしい雰囲気の方なので、可憐なファンテーヌという感じなのですが、娼婦に身をやつしてからバルジャンに会う場面での、一抹のプライドを持ち続ける演技が憐れで。ここ運命に負け過ぎても、強気に食って掛かり過ぎても違うような気がする、力加減が難しいと思うのですが、彼女はその佇まいからして悲しい運命に必死で抗おうとする感じが良かったと思いました。I Dreamed a Dreamの前奏で小さな声で"It's OK"って自分に言い聞かせるところ、ラストで成長したコゼットとマリウスを見てうなずいて微笑むところもすごく良かった!身体能力も素晴らしくって、バマタボアに蹴り上げられるところなんか、迫真でした。SDではおでこの傷が痛々しかったけれど、とても明るくてフレンドリーな方でした。


Eponine (Brennyn Lark)

とても歌唱力のあるエポニーヌ。歌での表現力も抜群で、On My Ownの歌詞がストーンと心に響いてきます。全身全霊で歌っているんだけど、客席に向かって訴えているようにではない、自分自身の内側か、神様に向かって心の内を吐露しているように見えました。動きも機敏で色気って感じは微塵もないのに、エポニーヌがとても女らしくいじらしく見えたのは今回が初めてかも。特にA Little Fall Rainの幸せそうな顔が忘れられない(涙)。


Marius (Chris McCarrell)

実は今回のキャストの中で、私が観劇中の1週間の中で激変したのがマリウスでした。私的初日と二日目はもう一つマリウスには共感できなかったというか、感情の伝わり方が薄いというか。ただEmpty Chairs at Enpty tablesだけはもう絶品でした。彼がそこに存在するだけで、すべてが伝わってくる佇まい。絶望と深すぎる悲しみに心が閉ざされてしまったような眼がすべてを物語っていて、こちらまで居た堪れなかった。最後に蝋燭をショットグラスのように掲げるシルエットが実に美しくて。

それが観劇3日目の日、突然すべてのシーンに感情が乗っていて別人のように見えました。エポニーヌの死の場面も、バルジャンから過去の告白を受けるシーンも、彼の心を寄せる演技が輝きだした途端、数倍素晴らしくなりました。これ、観ている私の問題かしらと同行のUちゃんにも確認しましたが、なんと彼女も全く同じ感想でした。私たち二人ともがどうかしていたので無い限り、この日何かが彼の中で起きたのでしょうか?確かめるすべはありませんが、この日以降は更にドンドンよくなっていったように見えました。不思議!


Cosette (Alex Finke)
u/s Siri Howard(23,24),Heidi Giberson(25,26m),Melissa Mitche(27m/s)

コゼットはこの週はプリンシパルのAlexさんがお休みで、3人のアンダーをすべて観ることに。23日と24日のSiriさんは大人っぽい印象の方、25日と26日マチネのHeidiさんは三人の中では一番初々しい印象でコゼットらしい容貌といえるかも。27日マチソワのMelissaさんは中では一番慣れていない感じでしたが、マチネの後ソワレで見た時には格段にすべてがこなれていて、たった一回でこんなに上手くなるなんてっとびっくりしました。三人ともみな歌唱力抜群で誰がやってもここまでできる層の厚さに脱帽。



Thenardier (Gavin Lee)

Gavinさん、初見ではここまで素晴らしいテナルディエとは思わなかった。本当に失礼しました。初日は2階からで表情まで良く見えなかったのと、彼の表情の変わる速さが私の予想をはるかに超えて、もう一瞬も目が離せない程だったのです。私は人の好さそうなテエルディエはなんか違うと思うのです。過酷な時代に生きるってそんな甘いもんじゃない。自分が生きるためなら人殺しも盗みも何が悪いって感じのワルいテナルディエが好きです。そこまで悪いからシレっと笑っていられるって。初日ギャビンさんはそこまで起伏のある演技とは思わなかったのですが、彼は瞬間瞬間の演技がすべてそれでした。実に細かく表情の変化を付けて、それに声のとぼけ方が乗るので真意が全く読めないテナルディエそのもの。でも場面が進むにしたがって悪さが表に出て来て・・・大好きなのは結婚式のシーンです。時代が進んでテナルディエも随分年を取っています。彼の身体、上半身が詰まって脚が異様に長く見え、立ち方も歩き方も、もう老人そのものなの。これお年寄りを実によく観察していると舌を撒きました。演技も扮装も実に実に素晴らしい。



Madame Thenardier (Rachel Izen)

テナルディエ夫人については、実は自分の中にこれという確固たるものがまだないので、あまり気の利いたコメントは出来ません。彼女も決して人がいいとか面白い人物としては演じていなかったです。むしろ一見剽軽に見えるテナルディエよりも意地悪そうで、女はコワイなという印象。SDでお会いた彼女はとってもいい人でしたが(笑)。


Enjolras (Mark Uhre)

アンジョルラスについては既に書きましたが、もう一度。Markさんは体格も良くて一目で育ちのよさそうなお坊ちゃんぽいアンジョルラスでした。知的で落ち着いた温厚な青年って感じが板についていて、むしろ最初はえ?っと思ったくらい。それがラ・マルク将軍の死をきっかけに民衆と共に立ち上がろうと決意する瞬間から声や眼差しまで皆をけん引するカリスマ性のあるアンジョルラスに。良い声で声量もあるので、Do you Hear the Peaple Singの合唱の時などはJOJさんの次に一際声が通って聞こえます。



レミって実に多くの登場人物がいて、実は一人の役者さんが何役も掛け持ちしていらっしゃいますが、よく見るとマリウスやアンジョルラスだって最初のシーンでは兵士や囚人です。で、中でも一際目立つ方を代表でご紹介。
Joseph Spieldennerさん。彼は最初は囚人、JOJバルジャンの隣でオールを漕いでいて倒れそうになりバルジャンに助け起こされる役です。その後バマタボア、グランテール、結婚式のシーンの執事(テナ夫人にいじられる役)他、多分10役位こなしているんじゃないでしょうか?もうほとんど舞台裏は運動会状態でしょうね(笑)。アンダーとしてもジャベールやテナルディエもやられるらしい。凄い守備範囲。
かれは以前にTDLに出演していたそうで、日本語も少し話せます。SDで彼にお会いすると、どこから来たの?っと聞かれて日本人だとわかると早速日本語で歓迎してくれる素敵な方です^^


その他ちょと思い出したことですが、Lovely Ladyたちがずらっと並んで歌うシーンではコゼットやエポニーヌ役者も娼婦の一人を演じています。下手から3人目がエポニーヌ、上手から3人目がコゼットのようです。私が行っていた間はコゼットが日替わりでしたが、このシーンで見ておくと、必ずその日のコゼットになっていて、また別の楽しみがありました(笑)。




さてこれでBW Les Miserablesの感想は終了ですが、最後に思い出のSD編を書いて終わりたいと思います。

ということで(5)に続く^^;


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Inperialの入り口。


イメージ 2イメージ 3





















左:入口付近のLes Miserablesの説明文が各国語で書かれています。もちろん日本語でも。右:一階客席の最後列にある音響ブース