今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

The Wild Party 私的感想 2017 3/7~3/11 (2) 夢物語

(1)で概要はお伝えしたのですが、こちらでは私的感想のさらに私的考察を書いてみようかなと^^;
あくまでも私個人の考え、感想なので、そこのところご了承くださいね。

イメージ 1

The Wild Partyは、とても素晴らしい作品で大好きですが、やっぱりWEの大劇場で、上演する作品ではないんですよね。とても好みが分かれると思うし、まずジャズ嫌いじゃ話にならないし。それとBurrsとQueenieが二人の倦怠期を吹き飛ばすかのように計画するぶっ飛んだパーティなので、およそ表向きダメなことばっかりなんですよ。ドラッグあり、酒あり、おまけにパートナーが入り乱れてのあれやこれや...だからね。劇場も16歳以下お断りなくらい、セリフもきわどいし。

Quennie
望むと望まざるとに関わらず周りを夢中にさせる。彼女の望みは真実の愛、ただそれだけ。友人Kateの愛人Blackに自分と同類の匂いを感じ、恋に落ちる。同類、同じ痛みを共有できる相手。でもそれが真実の愛を交わす相手とは限らない。

Burrs
ワンマンで不器用な普通の男。仕事も愛も行き詰まって窒息寸前。その鬱憤を物やQueenieに当たって晴らすような暴力的な部分もある。それでも本当に愛するのはQuennieだけ。でもその声が彼女に届くにはすでに手遅れかも。

Kate
自分で自分を傷つけて、滲んだ血を舐めるかのように、愛人BlackをQuennieに嗾しかけ、自分の嫉妬心を掻き立てて、Blackへの愛を確かめるようなタイプ。一種の自傷癖かも。

BurrsとKateは似たもの同士かも。自分の欲しいものを獲物のように追って、追って、追い詰めてしまうタイプ。だから互いのことも、思惑も、本心も、見抜けてしまうのじゃないかしら。

この作品を観た時のメモ書きです。
この作品の登場人物はすべて表の顔には見せない悩みや野心、愛、どろどろしたそういうものを隠し、ひと時それを忘れるためにギリギリのばか騒ぎをやっている感じ。でも実はWild Partyは、ひた隠しに隠した本当の自分が表に出るためのフィルターなのかもしれません。
そんな事を考えていたら、プログラムの作者紹介ページで目に入ってきたのはこんなことば。

イメージ 2

Burrsは冒頭のClownのシーンから、道化なのに楽しそうには到底見えない様子。彼はこんな場末の仕事に不満で、Broadwayの大舞台へのチャンスを狙ってる。だからQueenieとWild Partyの計画を立てた時に、最近BWに進出したGoldとGoldbergの二人に取り入るために招待したんですね。Queenieに接待させようと思っても協力的でない彼女にイライラ。そして愛するQueenieにも満足に愛を伝えられず、すれ違いばかり。
ね、Burrsってどこにでもいる普通の中年男性とどこも違わない(笑)。

普通の顔で暮らしている私たちの中にも、QueenieやBurrsやKate達と共通する面がある、自分だけが知っているそういう部分と向き合うために、この作品はあるのかなっと思いました。ある意味で16歳以下お断りの本当の理由は、そういうわけ知りの痛みのようなものが、テーマだからなのかもしれません。


Kateが連れて来たBlackをQueenieにけしかけ、Kateはほんの火遊びを楽しむつもりだったのに、本当に惹かれあって恋に落ちるQueenieとBlack。

目の前で最愛のQueenieが別の相手に恋していくのをただ眺めるしかできないBurrs。だからストーリーが進めば進むほど、その負のエネルギーが爆発寸前になる。力ずくでQueenieを取り戻そうとして、彼女から「私の身体にあなたのにおいがプンプンしている、肌を通して、血の中にも。あなたが死ななきゃ清められない」って言われてしまうんです。(もうこの言葉を言ってしまったQueenieの驚き、聞いたBurrsのなんてことを言うんだっていう顔、思っただけで今でも胸が痛いです)

ラストは悲劇的です。ベッドを共にしたQueenieとBlack。BkackはQueenieに、メイクを落として素顔を見せてと言います。君の真実の姿が見たいって言ったんですね。そこへClownのメイクで飛び出してくるBurrs。彼の手には銃が握られて、その銃口はQueenieに向けられている。一時はQueenieを羽交い絞めにしてあわやという時に、Blackともみ合い、Blackが銃を取り上げベッドの上に投げる。足元に落ちた銃を拾ったQueenieにさらにむかっていくBurrs。思わず彼を撃ってしまうQueenie。パーティのゲストは目撃者、警察のサイレンが鳴り響く...


これは本当に私的な思い込みというか、仮説ですけど、Burrsはある意味で自殺したんじゃないかなと思いました。もちろん自分で手を下さなくても、そう仕向けたんじゃないかなって。Clownの扮装で行ったのは、それが本心じゃないから。(マスクを付けるっていう意味)愛するQueenieの望みをかなえるにはこれしか方法がないからね。そしてそれこそが、Queenieが求めていた真実の愛だったんじゃないかしらって。Queenieもまた、本当に求めていたものの姿を理解できず、自分の手で、永遠に手の届かないところへ葬り去ってしまったのではと、そんな風に思えました。

まあ、あくまでも私の夢物語かもですけど。

イメージ 3