今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

The Wild Party 私的感想 2017 3/7~3/11 (1)


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思いっ切り私的感想です。その点お含みおきお願いします。ネタバレダメって言う方はご覧にならないでくださいね。



オフWest End、The Other Palace劇場で上演中のThe Wild Partyを観にロンドンに行ってきました。

日本語でのあらすじはこちらで。


舞台はほぼ五角形で二方向が舞台奥へ、三方が客席と面してる感じ。過去の舞台映像を見ると、横長の舞台で、やや平面的な作りに見えましたが、ここは客席が舞台を囲む感じでコンパクトだけど奥行きを感じます。それでいて登場人物が重ならず同時にそれぞれの動きが一目で見える。舞台と客席も近くて、最前列は膝の先と舞台の際がくっつきそう。舞台際ギリギリで芝居することも多いので、露出度高い格好の女優さんにこっちの方が照れて目をそらせるってことも。ストーリーになぞらえれば、大劇場を夢見る主人公が出演する場末の舞台そのものとも、パーティが開かれるBurrsの部屋の一隅に、自分も座って展開を見守っているような気分ともいえそう。

すみません、私にもジンを一杯w



8人編成のバンドは舞台の二階部分に。セットは二階に上がる階段とドア位で、場面に応じてキャストがベッド、ソファ、バスタブ、それにBurrsが客にお酒をサービスするバーワゴンを出し入れ。ああ、あとは大きな蓄音機かな、プレートに例の犬のマークもついていましたw


この作品のシンボルでもあるバスタブですけど - このころのアメリカは禁酒法の時代、当時人気だった強いお酒といえばジンなのですが、禁酒法があるので造るのも売るのも禁止。ヤミで高いお金で買うことは出来たんでしょうけれど、これを密造するんですね。蒸留にバスタブを使ったので、バスタブジン=密造酒って意味もあるらしいです。Wild Party(乱痴気騒ぎ)にはつきものだったんでしょうね。Burrsも歌いながら透明のビンに入ったジンをあおっていました。

お芝居の個人的ツボは、また後ほど書くとして、第一印象は本当に曲とダンスが素晴らしいってこと。歌もインストゥルメンタルも本当に効果的で、大人のイメージ。皆さん素晴らしいダンサーでもあるから、歌とダンスのショーとしても見ごたえあります。その上、ストーリーも歌で、セリフで、そしてダンスでも、切れ目なく繋がって進行していくんですね。まさに五感を刺激されっぱなし^^。


主役Queenieを演じるFrances Ruffelleさん、衣装もほとんどキャミソール位で、あらわな素肌も本当にきれい。激しいダンスもキレキレでまさに年齢が止まってしまったようなQueenieの設定そのものなんですね。さすがに10年かけて作者のLaChiusa氏からこの役をゲットしたっていうのが納得でした。決して不自然な若作りじゃない、天性のチャーミングさというのか、無邪気で純粋って、この作品とかけ離れている表現なんだけど、まさにそうなんですよ。


相手役のBurrsはJOJさん。2000年のトニー賞授賞式等の映像で見るBWオリジナル版のマンディさんのBurrsは、Queenieよりずっと年上で、得体がしれないというか、怪演って感じだったので、初めてJOJバージョンを観た時は驚きました。あまりにも普通のオジサンで これ滅茶苦茶褒めてます。この普通じゃない設定、酒もドラッグもSEXも、何でもありの乱痴気騒ぎの中で、普通のオジサンである必要が、あると思うんですよ、私は。(これは別記で)

普通のオジサンですが、そこはJOJさんですから、見せ場はどれも本当に素晴らしかったです。Clownとして歌うMarie is Tricky、Queenieとの取っ組み合いからのWild Party - 剃刀を突き付けられての攻防戦を歌いながら演じるのはほんとうに素敵。計画がまとまってQueenieの肩を抱きながら舞台奥に去っていく二人の後ろ姿が一瞬だけどすごくいいシーンです。Up Town - D'armano brothersと指を鳴らして、足さばきも軽快に(!)、とっても気持ちよさそうにスウィングして歌うJOJさんを見られただけで、モトを取ったと思う(笑)。Wouldn't It Be Nice?は歌が終わってもしばらく拍手が鳴りやまなかったし。Act1の最後、舞台中央に据えられたバスタブの中で、天井から降りて来たマイクを片手に激しく歌うGinは鳥肌ものでした。Burrsの気持ちが爆発する場面で、全員のダンスもいっそう激しくクレイジーになっていきます。ここ、バスタブの中からBurrsが裸足の足で蹴り上げる水しぶきが、もろに客席に飛んで来ます。初日は三列目でしたが、ボタボタッっと数滴お見舞いされました。一度あった最前列では覚悟したんですが、私は一滴もかかりませんでしたが、お隣の女性にドンピシャで命中したようでした(気の毒)。
ラストのHow Many Woman in the World?はもうBurrsが可哀想で...(書いてるだけで懐かしくて、もう一度見たくなります)



往年の人気女優Dolores役のDonna McKechnieさんを観られたのは嬉しかったです。彼女は大好きな作品「コーラスライン」のBWオリジナルキャストのキャシーです。すでに70歳を超える御歳ですけど、ダンスも歌も素晴らしくて、太腿もあらわな振り付けにビックリ(笑)。ラスト近くのWhen It Endは人生の重みが歌に滲み出ているというか、思わず涙が出そうでした。



Queenieのライバルというか、女風雲児のようなKate役のVictoria Hamilton-Barrittさんには圧倒されっぱなしでした。捨て身のギリギリの生き方が真に迫っていて痛いほどカッコイイ。彼女の声も歌も凄く好みでした。(すでにご紹介済みだけどこちらで見てみてくださいね。KateとQueenieのデュエットも素晴らしかったです。)



Kateの愛人でQueenieと恋に落ちるBlack役はSimon Thomasさん。彼は2012年のWEファントムでのラウル役で見て以来でした。あの時も文句なく素敵な王子様のようなラウルでしたけど、今回も涼しげで真っ白の衣装が似合っていてQueenieが一目ぼれするのもしょうがないかなぁ(笑)。Burrsの心をかき乱すに十分すぎる敵役でした。



今回は登場人物15人がすべて個性的で、それぞれの見せ場もあります。アンサンブルがいない感じで、途中から登場するKateとBlack以外はほぼ最初から出ずっぱりと言ってもいいほど。Eddie and Mae、The Movin' Uptown Blues...好きな曲も沢山ありました。


長くなるので続きは(2)で