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ENO Sweeney Todd ・感想(1)/ この場にいられて幸せだったなぁ

2015年春のロンドン旅行の目的はずばりこの公演を見ることに尽きました。4/7~9の3日間、3回の公演を幸運にもStalls、Dress circle、Upper circle、と様々な角度から堪能できたことは本当に素晴らしい経験でした。一方であまりに刺激的すぎたのか、それともSweeneyの呪い(!)か、これ以外にもマチネで他の作品を観る予定だったのに、一回は途中で体調が悪くなり中座、もう一回はチケットを買うこともできずにホテルのベッドで過ごすくらいの衝撃を受けてしまったというのもあながちオーバーではないと思います。(知恵熱みたいなもの?)それくらい素晴らしい、パワー溢れる公演でした。

(以下私の見たSweeney Toddの感想を書きましたが、あくまでも個人の感想ですので、その点ご考慮お願いします。またすでに終わってしまった公演なので、あまりネタバレを気にせず書きました。少しもネタバレNGという方は、ご覧にならないでくださいね。)


開演10分前、セイフティカーテンが上がり、舞台奥までライトが照らされています。舞台は前列、中列、最後列に分けられ左右に通しの通路、中央は中列と後列をつなぐ通路、まるで碁盤の目のように舞台が分けられ、そのマスの間にオケの席が用意されています。前列の舞台中央にはグランドピアノが据えられ、ピアニストが着席して指のストレッチなどしています。舞台左右のBOX席のお客はさすがにタキシードやイブニングドレスの正装で、始まりを待っています。携帯の呼び出し音のような開始の合図があり(これちょっとイヤミっぽいですね(笑))楽団員、アンサンブル、そしてメインキャストは楽譜を持って粛々と舞台上に入ってきます。

ま、あとは上のリンカーンセンターの動画をご覧になれば、どんな感じかわかって頂けるかと思います。記念公演のような全員正装から一変してタキシードの襟や袖をむしり取り、ドレスの裾をからげ、なんとさっきまでBOX席のお客だと思っていた方々も手すりを飛び越え舞台上に!
今回の舞台では幕前や場面転換などが出来ないので、このBOX席から垂らすタペストリーで場面を表し、三列に分かれた舞台で次々とシーンが展開していくという演出でした。
からっぽのオケボックスは場面によってゴミ箱兼小道具の片付け場所?となり、階段も使って通行人が右から左に往来する道になったり、はたまたパイ焼き窯に見立てたり。
場面から場面への移行も前列の演技が終わらないうちに、中列で次のシーンがはじまり、時には舞台そでやオケボックスの縁、客席へ降りて来てと進行を追うだけでも大変なほどのスピーディな展開です。
背景はNYがゴールドが基調なのとは違って最初は真紅、コンサート会場から劇中に変わる瞬間にこれが落ちて、蛍光色やスプレーを多用し、真っ赤な手形が押された壁の落書きのようなエキセントリックな背景に変わりました。
現代と19世紀、夜会のような改まった感じとフリートストリートのどろどろした物語が一緒に存在し、大勢の人々が一斉にランダムな動きをしていると思ったら、それはすべて計算された動作で、キャストからは一瞬も気を抜けない張りつめた空気が漂う。もうここまでで、観客はがっちりつかまれて、Sweeneyの世界から逃れることは出来なくなっています。(続く)

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cast:
weeney Todd :   Bryn Terfel
Mrs Lovett :         Emma Thompson
Anthony Hope :     Matthew Seadon-Young
Johanna Barker :  Katie Hall
Judge Turpin :      Philip Quast
Tobias Ragg :       Jack North
Beadle Bamford :  Alex Gaumond
Beggar Woman  :   Rosalie Craig
Pirelli  :               John Owen-Jones