今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

Les Miserables The Staged Concert 観劇レポ by Junさま

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今回のレミコンでは、JOJさん関係のファン友さん&先輩方に、ご覧になった感想や思い出のお写真などをご紹介いただく企画がゆるやかに進行しておりました。私自身が観に行けるのがほぼ最後ということで、皆さんを巻き込んで、ご協力いただいていますw

今回は、JOJさんをご覧になったのが2002年7月の「The Phantom of the Opera」が最初、その後は2006年3月にLes Miz。その年は21周年ということで、「21st anniversary company」もその年の12月ご覧になった羨ましい方です(笑)。

渡英前に「あとで感想をうかがわせて下さい」ってお願いしたので、朝ごはんの途中とか、バスに乗っているときとか、お買い物の途中も色々考えて下さっていたみたいで、せっかくのロンドン滞在もゆっくり楽しめなかったかも(汗)。本当にありがとうございましたw

ではJunさま、どうぞ~www

 

 (以下は、現地からの五月雨式の生レポートを後で再構成したものです。実際の報告は、現地ロンドンの市内やホテル、バスの中等様々なところから発せられています) 

 

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開演

 今回のロンドン訪問では、JOJがValjeanの三回分(月・木evening、水matinee)しか観ていません。予算の関係もありますし、ジョンだけが目的だったということもあります。

 会場は通いなれたQueen’sの隣、入り口で荷物のチェックを経て、ticket collectionを済ませたら、左手奥の扉から階段を下りてstallsへ。

開始前のアナウンスは、National Guardsの警告のメロディーで、「録音するな〜、写真は撮るな〜、電話の電源を直ちに消せ〜」みたいに歌う。(笑) 

あと、アナウンスがあったら、本来はちょっとの間をおいて「Prologue」が演奏されますけど、今回は「コンサート」だから、指揮者が現れてそれに拍手から入るという、ある意味で自然、ある意味で本来の舞台版からすると若干妙な気分。

 

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Showの率直な感想

一言でいうと、「こうあって欲しい」という「範囲」に歌い手の全員が納まっていますね。改装中にこんなにやってくれて感謝・感激ですし、JOJをWEで聴けるなんて思いもしなかったし…。あと、Queensのstallsの前の方でも観た経験はありますが、こんな迫力あった記憶は無いです。「Do you hear the people sing?」なんてほんと民衆が怒ってる。ド迫力でした。

 ただ、今日(木曜日evening)のOne Day Moreの最後、伴奏の低音のボリュームコントロール変でした。ハウるっていうのか、何かのボリューム調節を失敗してでかすぎたというか。

コンサートなので大道具はいわゆる舞台版に比べて簡素で、特にバリケードがない分、25周年記念コンサートの際のように、サスペンションライト(をつるしているバトン)を上げ下げするとか工夫をしていますね。

そういえば、今回は銃の発砲音とか大砲の発射音、爆発音は効果音としてありますが、裁判所で木槌をたたきはしないので、基本的な味付けはしてあるけど微妙な隠し味がない料理を食べているような感覚。(笑)

記憶する限りでいえば 「Eponine's Errand」は省かれていたし、Gavroche が撃たれる部分も省略されてますね。それ以外にもあちこちカットしているところはあるかもしれませんが、それは舞台版がすでにそうなのかもしれません。最後にロンドンで観たのが2012年、ニューヨークが2014年ですので、さすがに細かい比較はできませんが。

 

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キャスト

 JOJは後回しにして、他のキャストでは、ええと、じっくり三回聞いて、Carrie Hope Fletcherの歌と顔の表情の出し方がとてもいいと思いました。いずれも表現が豊かです。変な力みがないのがいい。「I dreamed a dream」、後半は熱唱になるけど、聴いていて惚れ惚れする。

それはCosette(Lily Kerhoas)も同じ。こういうのって上手い・下手以外の、持って生まれた部分も大きいのかな〜と思います。そうそう、SDで観たLily Kerhoasとっても小柄で、日本人でいえば中学生みたい。

他の役の人も含めて、トータルとしてともかくバランスが良いと思う。

 その中で、Michael Ball(以下MB)は大物中の大物。やっぱ人気あるし。

ただ、ほんの僅か引っかかりを感じたりもする。想像ですが、彼には自由に歌ってもらっているのかも。

Javertの自分のイメージは、もっと冷徹で、歌い方も「乾いた」とも言えるし、「渇いた」ともいえる気がするのですが、MBはある種「自由奔放」、絞ると水が滴り落ちそう。「MBが歌うとこうなるのかー」と、ある意味で唸らされました。あと、「Stars」は通常耳にするのに比べてテンポがゆっくりなのではないかと。これが自分にとって「自由奔放」と感じる遠因なのかもしれません。

 

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観客・会場の雰囲気について

キャストがすごいというのもそうでありますが、多分聞いている側もそれをわかっている人ばっかりだった気がします。通常の公演だとロンドン観光の見物客的な人もそれなりにいたかもしれなくて、それを否定するつもりもないのですが、ややもすれば「ついでに見ておくか」の一候補に過ぎずに来ている人もいないとも限りません(昔はtktsでも安くチケット買えたので。今はどうだか知りませんけど)。

今回はチケットも高いし、それぞれお目当ての歌手がいるとか、どんなに貴重な機会かをわかっていて来ている人が多い。そういう熱気を、客席で感じたことも事実です。

そういえば、自分より前の方に、「Do you hear the people sing?」とか「Epilogue」のところでやっぱ口パクで歌っている人がいて、ふと隣を見たらここでも口パク。安心して僕も口パクしました。(笑)

もともとLes Mizはマニアック(?)だといえばそうですけど、今回は特にそれを感じます。それは、stallsの比較的前のほうがそういう観客層だったというせいもあるかもしれません。

  ともかく、今からでもチケットが取れてあちらで聴ける機会がある人はぜひ行くべきだと力説しますね。

 

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伴奏・オーケストラ・新旧演出移り変わり

オーケストラの編成は、いわゆる通常編成に比べたら豪華というか、人数多いですね。コンサートだからということもあるかもしれません。

伴奏は、すでにずいぶん前に移行している新オーケストレーションなのは当然ですが、「演出」という意味でいえば「新演出用」でしょうね。

自分の理解でのそれらの「違い」は、新演出だとACT IIでバリケードが舞台に登場する際のバリケードの繰り出し時間が短くなっているので(少なくとも2014年にBWで観たときそう思った)、その伴奏「Building the Barricade」の最後、音程が上がりきらないうちに終わって、次のメロディー始まってしまうのですよね。次のメロディーは、カーテンコールで演奏される「bows」のメロディーと同じやつ、それがオリジナルの頃より低い音程で始まってたと思うのです。もっとも、「Building the Barricade」の出だしの音程・長さに関してはもう少し調べてみる余地はあるかもしれません。そもそもここ以外でも短くできるところはあちこち削って、短くしているような気がしますし。

なお、カーテンコールで「bows」が演奏された後、最後の最後に演奏されるのは、10周年コンサートの世界のバルジャンが入場する際の曲(テンポやオーケストレーションは違いますが、「Playout」という名前のはずです)が本来でしたが、これが25周年コンサートの終演の際の音楽に今は置き換えられています。これはいつからのことでしたでしょうか。2010年当時すでにそうだったのかもしれませんが。

 ちなみに、伴奏はともかく、演出は自分としては旧の方が好きですし、オーケストレーションも古いほうが好きなのです。そういえば、MMSなんかも、あるところまでは古いオーケストレーションでしたね。最近どうなのかはわかりませんが。

あと、最後の「The Wedding」のところでM/MdmThenardierが歌うとき、少なくとも下手側でバックに三人並んで座っている姉さん方の「手拍子」というか手の動き、あれが面白いです!あんなの舞台版にはなかったですよね。そもそもあそこは全員輪になって踊るところだから、バックに座っている人が手の動きをするような場面ではないです。これ、言われないと目がいかないと思いますね。二回目の水曜日に気づきました。 

 

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Michael Ballについて

改めてMBについてですが、「Stars」は、本来もっと義務的・形式的に歌う歌だと思っていました。でもMBに関しては、MBがJavertを演じていること自体に価値があり、さらに言えば、「新しいJavertの境地を開拓している」という解釈も可能なのかも。彼は、役に合わせるよりも、もう自分の歌い方で振舞っていい立場な気がして、それがああいう結果に至っているくらいには言えるのかなあという気がしないでもないです。今回、知名度ナンバーワン、歌も抜群なんだけど、唯一「自分にとってはJavertじゃない人がJavertの歌を歌ってた」って感じですね。(笑)

一方で、MBが出ていること自体すごいのかもしれない。しかも4ヶ月も連続で。それこそあちらの人に聞かないと正確なことや感覚はわかりませんが、「Andrew Lloyd Webber 40 Musical Years」でしたっけ、その番組司会もそうだし、シラク大統領が訪英したときにウィンザー城でシラク大統領と女王陛下の前でValjean役として歌ったのも彼なのですよ。だから、なんだかんだいうのは、そういう意味では罰当たりなのかも。(笑)

自分は21st anniversary company に思い入れがあることは事実です。21周年のBBCオーケストラとのコラポレーションコンサートもBBCのラジオも夜中に聴いたし。(笑) ただ、Javert役のHans Peter Janssensの歌い方は実はあんまり好きなほうではない。でも、法に対して忠実なJavertではある。それと上記の「思い入れ」があるから、「許せちゃう」ってのはあります。彼にしてもValjeanをロンドンで経験してるし、FantineのSophia Ragavelasだって直前まで「MAMMA MIA!」のSophie役でさんざん観てるし、元々Palaceの頃のEponine役。こういうのが思い入れの後押しをしていると言われればそうかも。

こう考えると、MBのJavertをどれほど受け容れられるかは、そういう「思い入れ」も関係するのかと。Mariusなら抵抗なし、しかし彼それ以外の役やってないから、歌手個人としての思い入れとLes Mizとの関連での思い入れが、自分は薄いのかも。そこがそうじゃない人にとってはこの上ない配役なのではないかなあ、とも。

でも、MBのJavertは貴重といえば貴重だし、来日時に逃したこともあって、Adelphi でのSweeney Todd 以来だったので、良い機会であったことは確かです。そうだ、AdelphiのときのSDもすごかったです。これ、MBの人気の現れなのでしょうね。

ちなみに、MBが特別なのは別の意味でも。というのも、MBだけSDにベンツを待機させてるw

 

 

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SDにて

観客は僕も含めて、お目当てがいる人が多いのでは、と。水曜日の劇場内、隣席はカーディフから来たご夫妻で、JOJお目当て。「1月にSophie Evansと一緒に来日しました!」って言ったら「彼女もWelshよ」とのご反応。今回は特に個々の歌い手に思い入れがある観客がそれぞれ集まってきてるのかも知れません。

ま、それを裏目とか表現するのは違うかも知れないですが、それがためか、僕が知ってるいつものSDとは違いました。そーゆー意味では、MBやABに群がる人が多いのは自然な帰結かも。ただ、若い女の子はやっぱり若い男性役者に熱をあげていました(笑)。

 そうそう、水曜のmatineeのSDでお会いした日本人ファンの方に、ジョンのサイン入りの「Yellow ticket of leave」の写真を撮らせてもらいました。Thanks hichimi-san !

その方とSD付近に残ってしばらく話し込んでいたら、matinee終演後にSDからさっさと出てきたのであろうEarlさん(Earl Carpenter)が戻ってきましてね。ヌーっとSDに消えていきそうなEarlさんを声で追っかけるように「今のEarlさん!分かった!?」と言ったけど、間に合わず。サインもらうならあの瞬間だったかも。

 しかし今回ほど「understudy」って字面が不釣り合いなケースはないですよね。「代役」と訳せばそうでないにしろ。「JavertのアンダーがEarlさんってなんだよ」みたいな(笑)。

 

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JOJについて

 >あら、Junさま、肝心のJOJさんのことについて話されてないですよ~(笑)

 

ジョンは最高だから話す必要無いのです(笑)。議論の余地はないのです!あとは周囲の環境どうかだけの話なのです!僕にとって、ジョンは特別で、ミュージカルの世界、それとLes Mizの世界に引きずり込むきっかけになった歌い手なのです!

 最初に紹介いただいたように、Valjeanとしてのジョンを最初に見たのは2006年3月、帰国直前なのです。一年間滞在したロンドンではありますが、当時は趣味としてではなくて、ミュージカルも毎月「ロンドンは本場だし、まあいくかー」程度で観ていたのが実際のところだったのです。でも、帰国前にジョンのLes Mizを見て以降、妙に彼のパフォーマンスが目に焼き付いてしまったのです。

具体的には、裁判のシーンで「24601!」って胸を開けて見せるシーンあるじゃないですか、あのシーンのジョンはいまだに忘れないのですよ。

こういうきっかけがあって、帰国して2002年にHer Majesty’sで観たPhantomのbrochureを引っ張り出して調べたら、なんと彼がPhantomだったことをその時初めて知って、よほどの人だったことを再確認した次第です。ちなみに、そのときのMadame GiryはLiz Robertson。

 今回のこのコンサートのbrochure表紙にはジョンとMBのautographを頂きましたが、それとは別に、日本から持参した21stの時のsouvenir brochureに、彼の初来日時に大手町でもらった二箇所に加えてさらに水曜(matinee)・木曜(evening)と一回ずつ頂き、合計四箇所となりました。何をやってるんだか。> 自分

 もどりますが、たしかにジョンに関してあまり語りませでしたが、そこはそれぞれの思い入れがあるでしょうから語る必要もないかもしれないし、でも、一方で共通の思いがなんであるか、それは別な意味で興味ありますね。

そういえば、「One day more, another day, another destiny」の「another day, another destiny」の部分にジョンって特徴ある気がするのですよね。今度真似してみせます(でも「似てない」と言われるのわかってますw)。

ともかく、ジョンの生「One Day More」 を再度ロンドンで聞けてよろしかったと思う次第でした。VoWEのあれも良かったけど、やっぱり行けることならばロンドンですよ。

 

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