今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

ENO Sweeney Todd ・感想(3)/ 客席にいるのも体力要るのよ

さて、キャストごとに書き出してみる感想第二弾です。

Tobias Ragg役のジャック・ノースさん
トバイアスはコックニーばりばりの役。私などでは全く聞き取れないほどスゴイなーと思っていたら、彼のプロフィールにコックニーネイティブと書かれていました。小柄で動きも機敏で、身体一杯でトバイアスを表現している感じなのですが、どこか一抹の哀愁があるんですよね。彼とエマさん演じるMrsラヴェットのやり取りから、Mrsラヴェットの優しさが彼にとってどれほどのものだったかよく伝わったことで、ラストでスウィーニーを殺すシーンをやるせないものにしていると思いました。

Beadle Bamford役のアレックス・ガーモンドさん
彼には登場シーンから驚かされました。私が以前に観たマチルダのミストレンチブルでは居丈高でとても大きな人に見えたのですが、初日にSDであった彼はすらっとして引き締まった感じ、とても愛想がいい方でした。それがこの舞台に登場した途端、肩を落とし背を屈め、目つきもうつろで無表情、登場してきた途端に負のオーラをまとった、どうにも薄気味の悪いBamfordになりきっていました。


Beggar Woman役のロザリー・クレイグさん
彼女のBeggar Womanは聞くに堪えないことを言っていても、しぐさをしても、どこか可憐で痛々しいさがよく出ていました。小柄で華奢な方ですが、神出鬼没(?)なBeggar Womanは指揮者の足元やオケボックス、思わぬところから現れて、驚かされました。


今回見ていて面白かったのは、スウィーニーやMrsラヴェット、ジャッジターピン、アンソニージョアンナ、(ここにトバイアスも入るかな?)がとても生々しくリアルに演じられているのに対して、バムフォード、ベガー・ウーマンと、うーん、ピレリもかな、彼らはどこか夢の中のように、不思議な空気をまとっていることです。あまり描きこまれている感じでもないのに、それぞれが特別な存在感があるんですよね。それがこの役にはもったいないほどの方々がこれらの役を演じている意味なのかしら?私自身もまだもやもやとしか表現できないので、うまく伝えられないのですが。


アンサンブルの皆さん
あえてこれを書いておきたいと思います。もう本当にアンサンブルが上手すぎ、出過ぎ、存在感ありすぎ(笑)。
私が知っているのはアナ・オブライエンさんとレミで工場長などをやられていたジェフ・ニコルソンさんぐらいですが(今パンフ見ていたらコーラスラインのマギーの方もいました)、他の皆さんも一人一人のレベルが高く、層の厚さを感じました。この中にはオペラ歌手の方から学校卒業したて、またエマさんのお嬢さんや他数名、まだ15,6歳の若い方までいらっしゃいます。
オープニングや髭剃り対決などのシーンも素晴らしかったですが、幕間にまるでパーティに招かれた招待客のように舞台上でお喋りを楽しんでいるのは印象的でした。そのまま2幕のパイショップの場面になっていくなんて予想もしていなかったですもの。

彼らの素晴らしいコーラスと、ついつい目が行ってしまう動きに翻弄されつつ、メインキャストの演技に打ちのめされるという贅沢にへとへとになりながら、このもったいないほどの空間の一員でいられることの幸せをかみしめていました。(続く---さていよいよJOJさんのピレリです)

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          English National Operafacebookから






cast:
weeney Todd :   Bryn Terfel
Mrs Lovett :         Emma Thompson
Anthony Hope :     Matthew Seadon-Young
Johanna Barker :  Katie Hall
Judge Turpin :      Philip Quast
Tobias Ragg :       Jack North
Beadle Bamford :  Alex Gaumond
Beggar Woman  :   Rosalie Craig
Pirelli  :        John Owen-Jones