今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

オーストラリア版「Love Never Dies」試写を見た!/やっぱり「The Beauty Underneath」がキモでしたよ/大好きな作品に再び命が与えられて本当に嬉しい

1月21日(土)@映画美学校試写室。My神dachoさまに連れてきていただいた「Love Never Dies」オーストラリア版BD/DVD試写会。久々に、ええ、久々の大感動。昨年10月の「オペラ座の怪人25周年記念コンサート」をロイヤアルバートホールで観て以来の大きな感動。生舞台ではなく映像だというのにカラダが震えた。なにかががっつりとはまった。まるでジグソーパズルのように。
 
昨年4月に初めて観たLNDの舞台。初見は何だよ、これ!と思った。オペラ座の続編?あんなに楽しみにしてたのになんだかヘン。ファントムもラミじゃないしがっかり、と。もう見なくてもいいや。そしてニューヨークに渡った。でNYにいる間もあの楽曲が耳から離れない。「The Beauty Underneath(TBU)」のリフレインがずっとアタマの中で鳴りつづけていた。
 
再びロンドンに戻ったその日の夜にアデルフィ劇場に行った。ラミさんはまだ帰ってきてなかったけど、シエラの婚約者タムがまだファントムを演じていた。素晴らしかった。そして嵌った、この作品に。不完全な舞台。歌詞のいくつかはチャラいし、演出のつじつまがあってないところも多々。セットの安っぽさも気になった。大体コニーアイランドみたいな魅惑的な場所がきちんと描かれていなかったし。
 
しかし圧倒的な楽曲の魅力は全てを帳消しにした。特にTBUという曲に込められた限りなくダークで怪しい世界、そしてそれを歌唱で具現化できるキャスト。Ramin&Tam。クリスティーヌ役のセリア、ラウル役D・サクストン。そしてメグ、マダム・ジリー。舞台から目も耳もまったく離せなかった。3日間連続で通った。もっともっと観たいという思いが実って(?)帰国便がキャンセルになった。もちろん代替機に振り替えは可能だったけれど、翌日はラミさんが帰ってくるのがわかってたのでそのまま残った。
 
既にJOJファントムにド嵌りしていたけれどできることならこのままずっとアデルフィにいたいと思った。どう考えても不完全な作品だけれど心底惹かれた。そしてまたアデルフィに観にきたいと切に願ったが、でもWE舞台は昨年8月27日に突然終わってしまった。もうあの素晴らしい舞台は見られないのか、と泣いた(まじで)。過去いくつものMT作品がそうであったようにLNDも棚の上で埃をかぶってしまうのか、と思ったら心底沈んだ。でもそんなことはなかった。オーストラリアで復活できたのだ。
 
演出のサイモン・フィリップス、昨年4月にNYにいったとき、ちょうど彼が演出したBWプリシラが話題になっていた。このときもかなりガツーンと来たが、もう完全に惚れた。天才!シェークスピアやオペラの演出まで手がける鬼才。インタビューや過去の作品の映像もTVで観たがどうしようもなく気になる。JOJくまに続き、新たなるくま(こっちはアライグマ)の奴隷決定。行きたい、シドニーに。今すぐ!生の舞台が見たい。
 
WE版演出に比べLNDのコンセプトは実に明確に聴衆に伝わる。歌詞そしてせりふでちゃんと表現されているからだ。曰く
 
1)心の目で見なさい(Look with your heart)
 
2)裏側にある美(The Beauty Underneath)を観なさい
 
3)ファントムとクリスは「音楽」によって強く結びついている。その関係は「愛」と呼ぶ。そして何物も(死ですらも)二人の絆を分かつことはできない(Love Never Dies)
 
4)フリークス(異形のもの)と普通人との間の愛情。深読みすると半人半獣が誕生する「事情」への強い憧憬が人間の深層心理に潜んでいる。ワーグナーワルキューレ」の世界を彷彿とさせる心理世界
 
ロンドンWE版でも魅了されたファントムの手下3人組(ガングル、フレック、あと1名)だけどオーストラリア版には衝撃的な変更が加えられてた。フレックは小人の女性が演じている。WEではラミファントムがフレックの顎をなで上げるしぐさが最高にしびれたけどAU版演出にはそれはない。あくまでもコニーアイランドの一部になっている。そう
コニーアイランド。WE版で最も私がものたりなかったのはここだ。コニーアイランド、今ではうらぶれた遊園地だけれどかつてここはNYの喧騒と興奮と退廃が渦をまいているような場所だった。彼らはこんなふうに語っていた。
 
コニーアイランドは吹き溜まりのような場所。どこにも行くところがない人間が集う場所なんだ。
 
 
(続く。なんか一生書き続けそうないきおいだ。JOJさんのネタも書きたいのにー)
 
           (オーストラリアメルボルン版舞台パンフレットより Many thanks to Mr.dacho)
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舞台版パンフレット(dachoさま所有。羨ましすぎます) 
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「The Beauty Underneath」です。思わず目を疑うほどの映像美でした。フェリーニの世界                    
  
    サイモン・フィリップス演出オーストラリア版「Love Never Dies」舞台構成:                       
ACT1
1)ファントムの部屋(Till I hear you sing) 2)コニーアイランド1907(Coney Island Waltz)
3)オンステージat ファンタズマ(Only for you) 4)マダムジリーのオフィス 5)PIER69
6)ホテル(Look with your heart/Beneath a moonless sky/Once upon another time)
7)バックステージ(Dear Old Friends)  8)The Lair (Beautiful)
9)Journey through Coney(The Beauty Underneath)
 
ACT2
1)The Bar(Why does she love me/Devil take the hindmost) 2)オンステージファンタズマ(Bathing Beauty)
3)マダムジリーのオフィス 4)クリスティーヌの楽屋(Before the Perfomance) 5)バックステージ(Devil take the hindmostリプライズ) 6)オンステージatファンタズマ(Love never dies) 7)クリスティーヌの楽屋
8)コニーアイランドのストリート 9)PIER  
 
試写会直後、興奮の余り怒涛のツイート:
 
ひとつ追記!LNDAU版は基本的にWE版を踏襲している。まあ楽曲は変わらないので当然。しかし実に丁寧にこの作品をtouch-Upしている。結果作品に新たな命が宿った。サイモンさんの演出にはALWが創りだした楽曲に対する最大限のリスペクトを強く感じた。
 
DTTHの日本語訳秀逸!でもエプロンきっちりたたみがなかった(しょんぼり)というかエプロンしてないし。衣裳ヘアメイクもWE版とかなり違う。時代考証にかなりこだわってる印象。きりがないのでもうやめときます。
 
おへんじツイいっぱい書きたいのに頭の中がLNDでいっぱいで書けない。Help!この作品のキモはTBU。それは間違いない。とても明確にわかる。ALWさんの言葉。「(舞台が)見えてない人は音楽も聞こえない」そう、見えないひとには一生見えないよ。上等だ、それでOK!
 
「The Beauty Underneath」じふんが見てる映像が信じられなかった。なんて怪しい美しさ。フェリーニじゃないか。そしで舞台美術!M・ビョルンセンの世界をみごとに踏襲している。MET指輪に匹敵する。キャスト悪くない。っていうかよい。でもBWは絶対にラミさん呼んでこいよ!
 
LNDAU班演出のサイモン・フィリップスさん、また新しいくまの奴隷になってしまった。しばらくは「ラヴ・ネヴァー・ダイズ」のことしか考えられない。今日お会いできた皆様本当にありがとうございました。大好きな作品が再び命を与えられた。そのことがただ嬉しくて泣けてくる思いです。
 
LND素晴らしい!素晴らしい!他に何が言える?なぜこの演出でWEさいしょからやらなかったの?ラミさんファントムがやるべきだった。彼の歌唱に見合うプロダクションはこれだよ!
 
LND「The Beauty Underneath」なう。最高!ある意味オペラ座より上をいくLND楽曲。サイモン・フィリップス、貴方どう演出変えたの?楽しみすぎて胸が苦しい。