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「A Chorus Line」 at Paper Mill Playhouse in Millburn, NJ/ブロードウェイの王道だよね/ここはとっても幸せな劇場

10月25日ニュージャージー州ミルバーンにあるPaper Mill Playhouseで見た「コーラスライン」。ああ、もうこれ何(10)年振りだろう。生舞台を見たことがあることすら忘れていたよ。一番最初にニューヨークに来た80年代後期、東京でチャラいOLやってた頃。初めてのニューヨークがもう嬉しくてエンパイアステートやらワールドトレードセンターやら5番街やらティファニーやら自由の女神やらロックフェラーセンターのクリスマスツリーやらCBGBやら(驚かれたw)大喜びで回ったっけ。でもまだNYが犯罪にまみれてた頃だから緊張しながら。ブルーノートにジャズ聴きに行って売店でお買い物してTシャツを当時の上司にプレゼントしたら大感動されてニューオータニの「トウール・ダルジャン」(今もあるんですか?)で豪華ディナーごちそうしてもらったり。これぞブロードウェイだわ!って感動したのは覚えてるけど衝撃の「オー!カルカッタ」で印象薄くなったのは確か・・かな^_^;

いけない、最近回想が多過ぎる(汗)

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コーラスライン」のストーリーはもう説明の必要なんかないほど有名なので書かないけど、このラストほんっとに素晴らしい。ブロードウェイの王道。終わってから思わずステップ踏んだ^_^;。そしてそれぞれのダンサーたちの物語も今見るとひときわ胸にこたえる。このミュー、嫌いなひとっているんでしょうかね。いまロンドンWEでやってるアダム・クーパーさんの「雨に歌えば」もだけど見終わって劇場中がにこにこ顔で溢れる作品ってそうはないでしょう。

Paper Mill Playhouseは地方の劇場だけどマンハッタンからも近いし(NJ Transitの電車で約40分)非常に質の高いプロダクションを上演することで昔から知られている。で、思った。この劇場、Paper Mill Playhouseって幸せそうだなあって。駅から遊歩道を歩いて5、6分。緑の森とクリークに面しているレンガつくりの劇場。歴史は古く、でも近年リノベーションが行われて奇麗になった。すぐそばには素敵なレストランもある。劇場が社交場になっている。そんな雰囲気がいっぱい。もちろん内情は知らないから色々タイヘンだと思うけど、でも初めて行った外国人の私からは少なくともそう見えた。

観客も印象的。マチネだったせいもあるけれどシニア世代が超多かった。チケも当然ソールドアウト。ボックスオフィスのひとに聞いたら全期間に渡って非常によく売れているとのこと。まあ「コーラスライン」ですもんね。

Playhouseの外には大型バスが何台も止まってて、どうやら近隣のシニアハウスやケアハウスから集団でやってきてる様子。杖をついたり歩行器を使いながら歩いて劇場の中に入るたくさんの方々。中には学校のスクールトリップで来ている学生たちの姿も。メットもBWもシニアは多いけどちょっと(かなり)違う感じ。例によって開始前に席近くのひとたちとあれこれおしゃべりしたのだけど、驚いたのは観劇歴40年以上よ、って仰る方がゴロゴロいたこと。それもBWやフィリーではなく(その辺りにも当然観に行くらしいけど)このPaper Mill Playhouseでずっと観てきたという。40年以上かー。凄いよね。そういえば電車待ちしてるときにおしゃべりしたおっさんも言ってた。特に観劇が好きなわけじゃないけどこの街(ミルバーン)に住んでてPaper Millにはコドモの頃から何回も行ってたって。

劇場に行くことが本当に生活の一部なんだね、この辺りに住んでる方々は。もちろんミルバーンだけでなくニュージャージー州都のトレントンとかからも来ていらして「ここにいるとねー、BWにもフィリーにも観劇に行けるのよ。ラッキー♪」なんて仰って私は本当にうらやましかった。フィリー(フィラデルフィア)には「Love Story」を観に行ったWalnut Theatre(上演が続いている劇場で全米で一番古い)や「Next to Normal」のArden Theatreみたいに小さいけど素晴らしい劇場があるから。フィリーはかつてオールドマネーで栄えた街なので観劇を趣味とする人たちもいっぱいいるらしい。ニューヨークとちょっと似てるんだよね。

昨年、演劇で有名なチチェスターにマイケル・ボールさんの「スイーニー・トッド」観に行ってやっぱり感動して、こういうところに住んで演劇三昧の生活が送れたらどんなに幸せだろうと思ったけど、アメリカにもちゃーんとあるのでした。今までアトランタやワシントン郊外にも住んで小劇場には何度も行ったけど、やっぱフィリーとかPaper Millほどの熱意は感じられなかったように思う。そのうち足が遠のいたりして。

地方の劇場はどこも経営が大変だと聞くし、地元の人たちの支えが何よりひつよう。でもここの人たちはそんな小難しいこと考えてなくて、夕食後にちょっと夫婦や家族で出かける楽しみのひとつに観劇があるように思える。凄く気楽な感じで劇場に足を運ぶんだろうな。そういうひとたちがこのPaper Mill Playhouseを支えている。いいなーと思う。それもこんな質の高いプロダクションが観られて。地元のひとたちもこの劇場が好きで。それって本当に幸せだよね、ってそんなことを考えた一日なのでした