今日も明日もJOJさんとか色々と

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「Les Miserables」 25th Anniv.USA Tour in Washington D.C./「レ・ミゼラブル」新演出USツアーの舞台を観ました

現在全米ツアー中の「レ・ミゼラブル」新演出の舞台(Les Miserables The New 25th Anniversarry Production)を今夜、ワシントンDCのケネディセンターで観てきました。 
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「Hall of State」正面入り口。大きな看板がかかっていました。レミ公演は10月30日まで。会場はオペラハウス。
 
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Kennedy Centerの中はこんな感じ。メインフロアはオペラハウスとコンサートホール、上にはジャズのライヴができるような小さいホールがあります。レストランやカフェテリアも完備してます。毎日いろんなイベントがあるんですよ。
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舞台はこんな感じです。スクリーンの後ろにファクトリーフォアマンたちが登場して始まります。セットはいくつも用意されてました。画面にあるのはヴァルとコゼのお家。マリウスがバルコニーの下に来るのよ。
 
いやー素晴らしかったです。いまさらなんですけどほんっとにレミゼって凄い作品ですね。なんだってこんなにたったひとつの無駄な台詞も楽曲もないのでしょう。いつもいつも感動の嵐に包まれるのでしょう。そしてなんだってこんなに全ての役者さんが上手いのでしょうか?大して期待していなかったUSツアーProd.なのに、観終わったとたんまた観たくなり、さっそく土曜日のマチネを買い足してしまったではないですか。あーもうオペラ座だのプリシラだのレミゼだのLNDだの同じ作品ばかりリピートする人生まっしぐら状態です(ええ、幸せです)。
 
まずこのUSツアーは昨年11月19日からスタートして、全米各都市を回っています。メインキャストは
 
JVJ    J.Mark McVey
Javert  Andrew Varela
Enjollas  Jeremy Hays
Marius     Justin Scot Brown
Cosette   Jenny Latimer
Fantine    Betsy Morgan
Eponnine  Chasten Harmon
 
です。ヴァルはもうひとり黒人のLawrence Claytonさんという方がプリンシパルでしたが、いまはMcVeyさんが務めています。もう↑にあげたキャストは全員あきれるほど上手いです。ほんっとに上手い。好みでいうとエポニーヌだけがはやりの歌い上げ系が少し入ってるんで(でもless than 現エポ)、うーん、ちょっとな、というところはありましたが。ヴァルのMcVeyさんはブロードウェイで2900回以上ヴァルを演じてきた方です。ジャヴェもソンドハイム作品やオペラ座の怪人ファントムをやってきた実力派、ファンテは「リトルナイトミュージック」のオリキャス、アンジョはBWやナショナルツアーでも同じ役を演じてきてるので、要するにもう実力は申し分のないキャストばかりです。オーケストラにいたるまでツアーだからといって手を抜いてるような気配は微塵もなく、会場は水曜日にも関わらずほぼ満席。
 
ステージが始まって(かっきり19:30に始まるのがワシントンらしい)すぐ思ったのは、会場がオペラハウスでWEやBWに比べて大きいのにも関わらずキャストがまったく小さく見えないこと。というかヴァルもジャヴェもアンジョもかなりガタイがよいのです。これ、私的に実は非常に重要な要素なんですよね、特にヴァルに関しては。
音もそんなわけでオペラ風によく響きます。最初のうちはちょっと耳が慣れなかったかな。
 
それにしても手がこんでいるプロダクション。シーンごとに背景のスクリーンが変わっていき、ファクトリーやラブリーレディたちの溜まり場、パリの街角やヴァル&コゼのお家、バリケードやABCカフェ、ジャヴェ専用の橋の欄干(!)そのたイロイロ出てきたり引っ込んだりします。そしてそれがまた効果的に使われているんですよ。オカネも相当かけているはずです。このセット持ってツアーで回ってるってどんだけ凄い規模なんでしょうかね。チケットは高めの設定なので(最低で68ドル、最高で140ドルくらい(たぶん))これくらい見せないと観る人納得させられないだろうな(@アメリカ的発想。コストかけるならよいもの見せないと許さん、みたいな感じ)、とも思いましたが、SさまによるとUKツアーもほぼ同様のセットだそうです。USツアーは相当長いですが、コストをかけているので長期間やらないとモトが取れないのでしょうね。
 
ということで例によってちゃんとした舞台レポが書けないワタクシですので、気がついたことを以下順不同で羅列させていただきますね。いい加減でほんといつもすみません!
 
・ヴァルかっこいい。とても役にあっている雰囲気。JOJさんに似てる感じなので好み。真剣に蹴られてもびくともしないガタイのよさもよい。Solioloquyのボロ布な感じもナイス。「my fligh--------t」も「must begi------------n」もかなりOK!決めてきます。馬車持ち上げるシーンでは十字を切ってからやるのですが、非常にリアリティがある。でも「Who am I」はちょっと不満でした。この曲は特に好きなせいもあるんですが、なんというか「軽くてアップテンポ」。ヤンキーっぽいとか思ってしまった。ヤンキーな「24601」(!)。ジャヴェとの対決の迫力も凄い。でも椅子壊さないんですよね。実は暴力反対なのか?「Bring him Home」でショーストップ。んー、これは誰がなんといってもコルムさんが私的にはベストだし、JOJさんもいるので納得できず。まあ上手いことは上手いです。某さんと同じくらいには。リトコゼに初めて会うときの19世紀風の挨拶はよかった。ファンテのお迎えが来て、天国のアンジョ&お仲間たちのところに入るときにも同じ挨拶をしてちょっとびっくり。悪くはなかったけど。
でも最後の臨終シーンだけはちょっとNG.元気過ぎる。ここはJOJや某を見習って欲しい。
 
・ジャヴェ。強面。かなり独特な台詞回しをする。意図的に音を外したりするので一瞬えっ!と思うときがあるが、もちろん歌唱は完璧。橋の欄干が上からするする降りてきてその前で歌う「STARS」感動的。「対決」でチェイン持って登場するときかなり怖い。演技も一貫して冷たい感じがするが、これは意図的なものか。「自殺」はたぶんこのプロダクションの中でも印象に残るシーン筆頭かも。上から降りてくる橋の欄干にのる、飛び降りようとする、空中に宙吊りでもがいている。背景のスクリーンが濁流の雰囲気になり消えていく、という感じです。ワイヤーアクションですね。でもいつひっかけてるんだろう??
 
・アンジョルラス。今回いちばん満足したのがこのひと。実によかったです。歌唱から演技まで申し分なし。カリスマ性、リーダーシップも抜群。バリケードで撃たれて、前方のリヤカーに倒れこみ、あとでそのリヤカーごとステージ前方に運ばれてきて、ジャヴェがたいまつの火で顔を確認するんですけど、ここは泣けた。顔とかは特に好みじゃないですけどスタイルの良いプラチナブロンドでいわゆるアメリカ的なイケメン。Brochureにもたくさん写真が載ってます。ちなみに彼はゲイではありません(爆)。
 
・司教様、めちゃくちゃ上手かった。このひとアンダーらしいですがいったい誰ですか?
 
・ファンテーヌ、圧倒的な歌唱力と演技。ラブリーレイディとしてはちょっと迫力にかけるが臨終シーンやヴァルをお迎えに来るシーンなど秀逸。彼女はぜひもういちど別の作品で見たいです。名前覚えておこう。
 
・エポ。上手いです。大うけでした。終わり。
 
・コゼット。ソプラノの安定性がかなり高いです。歌も聞かせてくれる。清純な感じでとてもよい。マリウスとのケミストリーもGOOD。
 
・マリウス。キャラクターを非常によく理解して役作りをしてた。歌もOK。「Empty Chair」で泣けた。このシーンはその前の「ターニング」で女性たちが歌いながらキャンドルを持って登場→床に置いて立ち去る→亡くなった学生たちが静かに現れる→ひとりづつキャンドルを持って佇みマリウスの歌を聞いている→退場という実にココロに染みる演出。
 
・グランテール&学生アンサンブルたち。これがまた秀逸。特にグランはO2のヘイドリーに匹敵するほどの印象を残す。ABCカフェやバリケードでの各自の動き、歌も全員GOOD!ひとりODMでの旗振りがヘタなやつがいて、イラっとした。ヴィジュアルもまあまあ。でもロンドンの男たちにはかなわないな。輸出してください。キリアンとかクリストファーとか可愛いのをひと山お願いします。
 
以下、Brochureからのピックアップ
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ユーゴーが描いた絵というかスケッチもセットに使われています。パリの街を表現するスクリーンね)
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(ジャヴェールがかっこいいんですよ。かなり独特なせりふ回しをします。鹿賀さんとちょっと似てるかも)
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(世界各国のプロダクションです。日本のもありました。コルムさんのも。でもJOJさんがいなーーーーい(怒))
 
ということで大満足のレミUSツアープロダクションでした。何も予定が入らなければあと1回土曜日マチネに行きます。コドモが小さかった頃はたとえ良いプロダクションをやってても涙を飲んであきらめたことが多かったのですが、今となってはそれも昔のこと。私も自由に観にこられるようになりました。NYとかに比べたらファンシーでもなく、圧倒的に年配者が多いワシントンのケネディセンターですが、そのぶん落ち着いてじっくり観ることができます。もし来年引っ越してきたらいっぱい通おう。