今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

「Jerusalem」 blew me up/「エルサレム」心底から圧倒される舞台になんて滅多に出会えるもんじゃない

超楽しかったワシントンとNYの滞在を終えて、NY時間17日(月)午後6時40分に出発して、約6時間半でロンドンに着いた。日付が変わって18日の朝6時半。入国審査では「2週間前にもロンドンに来てるけどなんでそんなに頻繁に来るの?」と質問された。まあ、そりゃそうでしょうね。4月にも来てるしね。なので「アナタのお国の演劇やミュージカルがとても好きなので一生懸命働いて見に来ているのよ。」と答えた。
 
そしたら「へえーどんな作品が好きなの?」とさらに突っ込まれたので「オペラ座の怪人がいちばん好きで、10月1日、2日の25周年記念コンサートにも来たの、今ファントム役をやっているWEの役者が凄くいいのよ。」と答えたらさらに「えー、名前は?しばらく観劇に行ってないのでひさしぶりに行ってみようかしら。いつでもいけるとおもうとなかなか足を運ばないのよね。」とおっしゃるので「John Owen-Jonesさんです。本当に素晴らしい役者で世界中にファンがいるんだから。彼がWEにいるなんてロンドンに住んでいるアナタのようなひとはとてもラッキーだと思います。」とかなんとか話しながら入国審査を終えたのでした。でも6時間半のフライト終えたぼんやりアタマで、英語でJOJさんの素晴らしさを主張するのってムズカシイの。こんどはもっと簡単に入国させてください。べつに何も悪いことするわけじゃないので。
 
とここまで書いてきたところでいきなりネットが使えなくなってしまって、途中で寝落ち。ここから続きです。
 
クマ駅(パディントン)までヒースローEXPでやってきてホテルに荷物を置いたらハードスケジュールの開始。じぶんの好きで動いてるんだから仕方ないけど、なんとも欲張りなスケジュールでほんとよくやるよ、と思う。まあダメならだめでいいやという投げやりな心構えなのですけどね。まず9時半から期間中たった一回だけの上映があったジェリーの新作「Coriolanus」を観にLeicester SquareのVUEへ。
 
ロンドンでは10月27日まで「55th London Film Festival」を開催中。ここに来る前にはNYフィルムフェスティバルが開催されていたし、日本の東京国際映画祭も今週末から開催される。映画好きには答えられないシーズンである。チケットもなにも取ってなかったが、劇場について「Coriolanus」が観たい、とスタッフに交渉したらすぐに入れてくれた。R・Fiennesの初監督作品。冒頭のシーンがいきなりナイフを砥石でといでるGerryのアップから始まる。どひゃー。噂のセルビアで撮影した戦闘シーンも凄い迫力である。既に午後の予定を決めていたので半分まで観たところでそっと劇場を出る。外に出たところでスタッフから何か問題があったか、と聞かれたので正直に答える。感想も聞かれたので、まず映像が非常にエッジでかっこいいこと、シェークスピア劇を現代に置き換えているという設定なのでいったいどんなものか想像もつかなかったが、なるほどMake senseだと思った、あの戦闘シーンは凄い、等々話した。「まだいろいろあるからまた来てね!」「OK!」なんてやりとりしながら今度はヴィクトリア駅へ。
 
ネットで予約しておいたNational Railのチケットを発券して出発ホームが表示される電光掲示板の下に行く。
 上を見上げながら「あーJOJさんも毎日お家に帰るときにこうやって見上げてホーム番号確認しているのかしら。オイスターカード持って。」とヘンなところで感慨にふける。ホームを確認したらコーヒーとバケットサンドを買って電車に乗り込む。目的地は1時間半ほど乗ったところにあるChichester。質の高いプロダクションで有名な演劇祭である。以前から行ってみたいと思っていたが今マイケル・ボールさんの主演で「Sweeney Todd」を上演していると聞き、急遽チケットを取った。最後の一枚(!)だったのにJ列の真ん中よりという非常に良い席。38ポンド。プロダクションはもう最高だった。なんという質の高い舞台。キャストも文句なし。劇場の雰囲気もいかにも演劇好きの方々ばかりという趣でほんっとによかった。この舞台は別記事で書きますが、間違いなく来年WEにトランスファーされてくると思います。それにしてもMBさん、レミO2の初演マリウスで登場したくりくりパーマの太ったクマおじさんのイメージは全くない、シャープで冷たいSweeneyでした。怖かったよお。
 
で、終わったらすぐ駅までダッシュ。心臓止まるかとおもったけど無事ロンドンへ。途中電車の中で爆睡。地下鉄乗り継いでアポロ劇場へ。今日のメインイベント「Jerusalem」。これはもうなんといっていいのか、とにかく感動とかそういうもんじゃなくてblow me up、とにかくぶっ飛ばされました。主演のマーク・ライランスさん、今年度のトニー賞主演男優賞を受賞しているし、舞台自体は2009年からやっているので本当にいまさらなんですが、もう凄い!凄い!凄い!としか言いようがないです。あのラストシーンはたぶんしばらくの間私のアタマから去ることはないでしょう。NYの友達もそろって絶賛していたこの舞台ですが、Sさまの記事がなければチケット買ってなかったので本当に感謝してます。身体ごと吹き飛ばされるような感覚を味わう舞台なんてそうそう出会えるものじゃないので、いやほんとうに凄かった。行ってよかったです、本当に。今夜はPOTOに行くつもりでいるのですが、うーん、もしかしたらこっちに行ってしまうかも。バルコニー席なら当日でも買えるらしいし。休憩2回をはさんで全3時間以上になる舞台で正直言って、語学的にはキツイです。ストーリーはまあわかりますけど、台詞の端々に入る、なんというかネイティヴじゃないとわからないジョークとか言い回しとか言葉遊びがわからないんですよね。10回に1回しか笑えないのはツライけど、まあ脚本も買ったので次はもうすこし楽しめるかも。でもとにかくそんなことを抜きにしてもあのラストシーンがあるだけで観に行く価値は大有りです。
 
それにしてもこういった舞台を生み出す力のある英国演劇界。心から尊敬します。「Jerusalem」のストーリーのキイになっているのはSir William Blakeの詩です。私自身は中学生のときに大いにはまったプログレッシブロックバンド(というジャンルがあったのです)「Emerson, Lake & Palmer」通称ELPのアルバムに入ってた「Jerusalem」でなじみがありました。Vocalのグレッグ・レイクの美声、好きだったなあ。この曲を劇中でPhaedraが歌うんですよ。数十年ぶりに聞いて涙出そうになりました。この詩も含めて、「Jerusalem」についてもっともっと書いてみたいのですが、まだ踏み込みが足りないのと、果たしてラストシーンをどこまで書いていいのか迷うところです。まあ、書いたところでそんなに影響があるとも思えないのですけどね。小さいブログですし。ブレイクの詩は下記の通りです。この詩を読んでから舞台観たかったかも。いや、まだ遅くないか。
 
And did those feet in ancient time.
Walk upon England's mountains green:
And was the holy Lamb of God,
On Englands pleasant pastures seen!

And did the Countenance Divine,
Shine forth upon our clouded hills?
And was Jerusalem builded here,
Among these dark Satanic Mills?

Bring me my Bow of burning gold;
Bring me my Arrows of desire:
Bring me my Spear: O clouds unfold!
Bring me my Chariot of fire!

I will not cease from Mental Fight,
Nor shall my Sword sleep in my hand:
Till we have built Jerusalem,
In Englands green & pleasant Land
 
WIKIより参照資料:
The poem was inspired by the apocryphal story that a young Jesus accompanied by his uncle Joseph of Arimathea, travelled to the area that is now England and visited Glastonbury. The legend is linked to an idea in the Book of Revelation (3:12 and 21:2) describing a Second Coming, wherein Jesus establishes a new Jerusalem. The Christian church in general, and the English Church in particular, used Jerusalem as a metaphor for Heaven, a place of universal love and peace.
In the most common interpretation of the poem, Blake implies that a visit of Jesus would briefly create heaven in England, in contrast to the "dark Satanic Mills" of the Industrial Revolution. Analysts note that Blake asks four questions rather than asserting the historical truth of Christ's visit; According to this view, the poem says that there may, or may not, have been a divine visit, when there was briefly heaven in England. But that was then; now, we are faced with the challenge of creating such a country once again.