今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

JOJ x Sofia vs Scott x Katie on WE POTO/どちらが観客を泣かせたかというと・・・

シンジラレナイけれど「Scott x Katie」のほうだったんです、はい。
 
10月19日と20日の両日、ロンドンHM劇場のドレスサークルで「オペラ座の怪人」を観ました。通常オペラ座はできるだけステージ近くで観るようにしているのですが(5列目以降。それより前だと全体がよく見えないので)、この両日は2日続けてドレスサークルでした。キャストはタイトルに書いたとおり、プリンシパルとアンダーの組み合わせ同士。JOJさんと小娘ソフィアのぶんは既に感想を書いたのですが、翌日アンダーのスコットxケイティで観て私はショックを受けました。
 
カーテンコールを迎えた客席の反応が前日よりずっと盛り上がっている、スタンディングオベイションの数も多い、感動の涙を流しているひともおおい。隣の席のパリから来たという可愛い女の子たち号泣、おまけに私も涙が止まらない、いったいなぜ???
 
前日のJOJさん、記事にも書いたけど少し調子悪かったんです。でももちろんそれなりのレベル。タイトル曲だってMOTNだってPONRだってDown once moreの「Heeell」だってばっちり。最後のYou alone・・だって最高。要するに彼のパフォーマンスには特に問題なし。でも盛り上がりは今ひとつだった。Stallsはそれなりだったみたいだけど、すくなくともドレスサークルはスタオベはたった2,3名。私もやらなかった。なぜならソフィアクリスにアタマに来ちゃって、この日はひとっつも感動できなかったからだ。せっかくのJOJファントムでなんてこと!でも事実そうだったのだからしかたない。
 
いっぽうスコットさん。私は2度目。もちろん一時はファントムのプリンシパルだったのだから歌唱は悪くないけれど、JOJさんにはもちろん及ばない。最後のDungeonの「He----ll」にいたっては声がかすれてしまっていた。でもその分、演技で引きつけるものがあるのだ。
 
スコットファントムに関しては、以前Sさまがブログで書いておられて、私も全くその通りだと思うので付け加えることなど何もないが、とにかくスコットさんの「中年男の悲哀」の表現力たるやすごいものがある。JOJさんの凄さはまたべつのところにあるので、比べるべきではないと思うのだが、観客の涙を誘うのはまさにこのポイントなんだと思う。クリスティーヌが好きで好きで、彼女の存在こそが人生唯一の目的で、手に入れるためにあらゆることをしてきて、でもそんなじぶんが許せない哀れな中年男なファントム。指輪を返されたあと「You alone・・」にいたるまでの彼の悲しみと慟哭はまさに真にせまるものがあって、ほんとうに涙無しでは見られなかった。他の観客も同じだったと思う。
 
そして大きなポイントになったのがケイティの演じたクリスティーヌ。この日のスコットさんの演技がとりわけ感動的なものになったのは彼女の演技によるものが大きい。もしソフィアだったらこんなに観客の感動は誘えなかっただろう。私は4月にこの組み合わせを見たけれど「まあ普通」としか思わなかった。スコットさんの演技&歌唱にはじゅうぶん満足したけれど。
 
なぜケイティのクリスティーヌが素晴らしかったか、それは前にJOJさんとの組み合わせで観た記事にも書いたけど、彼女の演じるクリスはちゃんとファントムに魅かれている、未熟ながらも確かな愛がそこにあるのを感じさせてくれるのだ。あのキスとともに。クリスティーヌはファントムへの思いを残しつつ、そのうえでラウルを選ぶわけで「そうか、クリスも悩んだのね、でもそれは仕方ないわよね、キリアンは素敵だし(ん?)。若い二人で幸せになってね。」とかなんとかいう余韻まで残してくれるのだ、彼女のクリスティーヌは。
 
その気持ちをスコットファントムはちゃんとわかっていて、そしてその一瞬の愛を支えにして再びさらなる地下の迷宮へと帰っていく。そんなストーリーを明確に感じさせてくれたのがこの日のスコットとケイティの演技だった。これはどう考えても感動モノでしょう。リピーターの私でさえ涙したのだから初めて見たという隣の女の子たちが殆ど号泣状態だったのもよくわかる。
 
そう、「ファントムへの愛」。これがないと「オペラ座の怪人」のストーリーそのものをぶっ壊す可能性があるわけで、ソフィアのクリスはまさにその寸前まで行っている。彼女の演技には「全く」ファントムへの愛が感じられない。キスにも何のリアルさも感じない(だいたいちゃんとキスしてるのかもわからない。唇を「寸止め」してるんじゃ・・)。指輪返しのシーンも「あーせいせいした。」というふうに見える。
 
スコットさんはまあいい(ほんとはよくないけど)。でも私はJOJさんが死ぬほど好きなので、彼を相手にしてあの演技はやっぱりどうしても許せない。JOJさんは12月10日で降板してしまうけど、そのあとを引き継ぐアール・カーペンターさんの相手役にも彼女が来たらどうしよう。とうことでHer MajestyでJOJさんの出待ちをしていたときに知り合ったタイとロンドン在住の熱狂的オペラ座の怪人ファン(彼女たちもソフィアは全然ダメ!と太鼓判?を押していた)とも連絡を取り合って、RUGに抗議メールを送った。結局のところこんなのは何の役にも立たないかもしれないけど、でもこのキャスティングに不満なファンがたくさんいることだけは知ってほしいと思う。