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古田フランクはとてもラブリーでした「Rocky Horror Show」

ああ、もう本当に面白かったです、「ロッキーホラーショー」。場所はかながわ芸術劇場(KAAT)、主演のDRフランクを演じたのは古田新太さん、演出は同じ劇団☆新感線いのうえひでのりさん。以下メインキャストは以下の通り。
 
ジャネット  笹本玲奈さん
ブラッド   中村倫也さん
マジェンダ グリフィス・ちかさん
ロッキー  辛源さん
エディ    ROLLYさん
コロンビア  ニーコさん
その他、ファントム3名、ナレーター、スコット博士です
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オリジナルは1973年のロンドンプロダクション。Dr.フランクはティム・カリーリフラフはこの作品の生みの親でもあるリチャード・オブライエン。1974年にはロサンゼルス公演、1975年には早くも来日。ロンドンキャストによる9都市ツアーが行われました。1975年には映画「ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー」が全米公開されました。その後は世界各地でリバイバル公演やら、映画の上映やらが行われ、サブカルチャー愛好家のバイブルとして世界中で根強い人気を保っています。
 
1995年には日本でローリー寺西さん主演で初演されてますが、90年代はアメリカ在住だったので全く知りません。アメリカでは1999年のロサンゼルス公演からリバイバルされ、2000年にはブロードウェイでトム・ヒューイットがDrフランクを演じてロングラン。2002、2003、2005年には英国ツアー、今年はロンドンのクイーンズシアターでも約1ヶ月公演があり、10月から3ヶ月間のヨーロッパツアーも敢行、2012年には北米ツアーも予定されています。私は映画版を初めてみたときから陥落し、以後、映画館鑑賞は日米で数知れず。舞台はBWのリバイバル公演を観ました。QUIEENとともに長年愛し続けている数少ない作品です。なにせこんな作品他にありませんしね。オーストラリア映画プリシラ」が近いと思いますけど、RHSのほうがさらに70年代っぽいギラギラ感に満ちてます。
 
まあ、コドモの頃にかなりはまった作品なので個人的思い入れもたっぷりな「ロッキーホラーショー」、最後に見てからかなりの年月がたっていて、その間、「オペラ座の怪人」という作品にド嵌りしたこともあってすっかり忘れていたのですが、今回の公演はとても楽しみにしておりました。会場に着くとまず聞こえてきたのがT・REXの「テレグラムサム」。もうキター!っていう感じでした。その後もD・ボウイやクイーン(それもファーストアルバムの曲から)、あげくはジーザスクライストスーパースターの「ゲッセマネ」。インターミッションの間も70年代の名曲ばかりでわたしはもう個人的に感動の嵐。こういうの聞いて育ってきて本当にヨカッタ!って思いました。まじで。
 
古田新太さん演じるDr.フランクはとにかくラブリー。コルセットも編みタイツもとても似合ってました。オリキャスのティム・カリーのイメージがデフォになってますので、古田さんの演じるフランクはとにかく可愛く見えてしかたない。個人的にはもっと毒があってよかったように思うけど、まあ、それは私が相当RHSに嵌っている部類のひとだからであって、日本人一般の感覚にあわせようとするとこれで精一杯かもしれない。これ以上、エグいとドン引きされそうだしね。
 
レポとか苦手なので、感想を総じて言わせていただくと、舞台セット(スクリーン含む)、美術、演出全て文句なし。凄くセンスよい。キャストでは古田さん、笹本さん、辛くん、ROLLYが歌唱も演技もGOOD。特にROLLYのエディがグラムロック時代のデヴィッド・ボウイそのままのスタイルでもう最高。かなり決めてくれました。リフラフ岡本健一さんもGOOD。あ、でもDrフランクに対決するシーンとかはもう少し不気味感が欲しかったかなー。ブラッドの中村くんは勿論悪くはないけど時々ピッチ外してたし、やっぱり笹本ジャネットとは実力の差が目立ったかな。でもキャラにはとても合ってたように思います。
 
メイン曲と言ってよい「TIMEWARP」。「LET`S DO THE TIME WARP AGAIN」のテロップがTV画面に出てきて会場も巻き込んでのダンスシーン。リピーターも多い舞台なので皆さん、心得たもんでした。隣の席の明らかに会社の仕事抜け出してきました!な風情のおじさんも大ノリ。この方、踊りもかけ声のタイミングもかなりセンスよかったです。きっと若いころからRHSが好きだったんだろうなー。
 
初演から37年がたつ「ロッキーホラーショー」。今ふたたびブームを迎えているクイーンや来日中のエアロスミス、KISSもそうだけど、みんな私が中学時代に夢中になった音楽だ(RHSは少し遅かったけど)。1970年代後半。コドモのくせによくこんな音楽に魅かれたもんだよな、とか思う。でも周りには結構同じような趣向の友達がいた。学校をサボってデパートで待ち合わせして(学校がそれぞれ違っていたので)、トイレで着替えて、精一杯背伸びしてお洒落して絵銀座のビルでよく行われたフィルムコンサートに行ったっけ。今では好きなバンドの情報や音楽は簡単に手に入ってiPODに入れて持ち歩けるけれどわたしたちの頃はそうはいかなかった。ラジオのFENや唯一といっていい洋楽番組「ポップス・イン・ピクチャー」にかじりつき、時々レコード会社が開催するフィルムコンサートで大好きなフレディやロジャーやブライアンの映像を見ることしかできなかった。雑誌「MUSIIC LIFE」や「音楽専科」、「ロッキンオン」や「ニューミュージックマガジン」は私たちのバイブルだったのだ。
 
当時新宿や原宿や渋谷にあったライブハウスやロック喫茶に行けば、大音響で好きな音楽を聴けることはわかっていたけど、さすがにコドモ女子が出入りできる場所ではなかった。80年代を迎える頃にコドモは卒業してたので当時の東京に散在していた「面白げな場所」に出入りするようになったけど、やっぱり70年代にあったような、わたしたち仲間が死ぬほど憧れてた独特の熱気はもう消えていたように思う。
 
ロッキーホラーショー」はロンドンやニューヨークでも同じだと思うけど、東京にもあったあのくすぶるような1970年代という時代のエネルギーを内包した作品だ。今では遠くに去ってしまったけれどあの時代をみごとにフリーズしているからこそ今の時代にも生き残ってきたのかもしれない。いや、そんなことは関係ないか。要するに作品として優れていれば時代を超えて残る、LED ZEPPELINが歌ったように「The Song remains the same」ということなのかな。ま、そんなことはどうでもいいや。とにかく古田フランク「ロッキーホラーショー」は楽しかった。来週も見に行くことにしようっと。