今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

「Love Never Dies」のコニーアイランド/とりあえず3月までウェールズの岩山で冬眠したいきぶん

今日も寒かったですね。巷はお休みですが私は午後から日本のものづくりを支える職人さんの撮影に行きました。先日も伝統工芸の職人さんを取材したけど、なんかもう惚れますね。職人さんって。じぶんの身につけている技術って盗まれたりもしないし、どこででも生きていける強さもあるし。そういえばJOJさんの歌唱もある意味職人芸ですから。才能ももちろんあるけど彼の場合は「技術」も大きいです。さすが名門Central School of Speech and Drama出身だけありますね。
 
で、突然出てくる「Love Never Dies」。この作品の舞台になるのはニューヨーク郊外に位置するコニーアイランド。今はもうすっかり寂れてしまいましたが、20世紀のアメリカの繁栄を象徴するひとつの場所になっています。ちなみにホットドッグの早食いコンテストで有名です。遊園地はすでに閉園しましたけど、木製のローラーコースターはNYの歴史建造物として保存されています。NY市内から地下鉄で40ー50分くらいですね。この辺りはロシア人が多く住んでたのでわたしは時々友だちと一緒におかいものに行ってました。ニシンの酢漬けとか、ピロシキとかね。たまーにキャビアも。市内で買うよりずっと安かったな。
 
下記は1920年代のニューヨーク・コニーアイランドの様子です。サイモンさん演出のオーストラリア版解説で「コニーアイランドは行き場のない人間のふきだまり」といった言葉があったんだけどそう、当時のコニーはそういう雰囲気満載でした。昔、ニューヨークの番組制作会社で働いてたんですけど、そのときリンカーンセンターのアーカイヴでリサーチをやってて、昔のコニーアイランドを紹介した映像(凄い古かった。テープの規格も四分三だったし)を偶然みつけたんですよね。なんともいえないいかがわしさがあって、凄く印象的でした。これがLNDという作品のキモになっているのは間違いないわ!とか個人的には思ってます。ほんと怪しくてかっこよかったので。LNDの舞台設定ではオペラ座炎上後、ファントムはマダム・ジリーの手助けでコニーアイランドに逃れてきて、どん底の暮らしからファントムの知恵と才覚でのし上がっていき、ついには巨額の富を手に入れるわけですけど。
 
ご存知のとおり、LNDはフォーサイスの「マンハッタンの怪人」が原作になっています。オペラ座ファンはボロクソに言うひともいますが、私は特に抵抗ありませんでした。というか、いくつか好きなシーンもあって、中でも第二フェーズのオープニングの記述として使われていた、ファントムがパークアヴェニューに聳え立つ自社ビルのペントハウスからマンハッタンの街並みを見下ろすシーンの記述にはしびれました。
 
コニーで魚の臓物抜きで生計を立てていたファントム。その彼が自らの才覚で富をつかみ、ヴァンダービルトやJPモーガン、ロックフェラー等々が住んでいたパークアヴェニューに自社ビルを建てる、これがどれだけ凄いことか、当時の社会事情を知っていればわかると思うけどほんと読んでるだけでスカッとさわやかになります・笑。あ、ちなみにファントムが最終的に莫大な富を築くのは株式売買によるんですけど、このあたりはさすがフォーサイスって感じです。おもしろいよ。先入観持たないでぜひいちど読んでみてください。
                                                   (Photos courtesy of PBS)
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(ここが当時いちばん栄えていたというLUNA PARK。お客の衣装に注目)
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コニーアイランド俯瞰図。これはもう少し時代が進んでからですね。大恐慌の頃かな)
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     (こんなのが水着だったのね。AU版はこのあたりの脚色が上手いです。ちゃんと時代考証されてました)
 
じつを言うと私は20世紀初頭(大恐慌あたりまで)のニューヨークが好きで仕方がないんですよね。あの時代に生きていたかった!とつくづく思ってます。ワシントンのDupon Circleにある美術館フィリップスコレクションにこの時代のひとびとを描いた物凄く好きな絵があって、当地に住んでいる頃はその絵を見るためだけに足を運んだのだけど最近は作品が入れ替わってしまって飾られてないのが凄くざんねん!マンハッタンとブルックリンを結ぶ橋をバックに正装した男女がひしめきあってるという絵なんですけどこの服装が素敵なんですよね。正装ですから男性は山高帽、女性はロングドレスです。メトロポリタン美術館の別館、Cloisters近くにある大好きなレストラン「One Leaf」にも当時のお店で食事するひとびとの写真が残されてました。
 
で、こんどはとつぜん始まる「Devils take the hindmost」(逃げ遅れたやつは悪魔のいけにえ=LND版だと負けたやつは悪魔にさらわれる、と私は理解しているけど)。今日ツイッターでシロさまとこのフレーズについてやりとりしたら、仕事中にもかかわらず音楽とあの名場面、RaminさんとDavid樹氷王子の迫力満点のシーンが浮かんできてしまった。AU版も、うん、なかなかいいんですけどね。というかDavid樹氷王子。舞台に立ってくれないかなあ。4月12日にドリューさんをゲストに自らのバンドのコンサートをやるそうですけど、やっぱり舞台を見たい。本当に素晴らしい俳優さんですから。ソンドハイムのミュージカル「パッション」で一昨年オリヴィエ賞受賞してますしね。「パッション」わたしは好きな作品なのでぜひ彼のジョルジオがみたいです。ものすごい合ってますよ、うん。原作の映画「パッションアモーレ」も大好きだったんでぜひまた再演してほしいです。できればエレナ・ロジャーと。彼女大好きなんで。
 
なんかちょっと珍しく疲れ気味なんでこれまで。うー寒い。エアコンがんがん効いてるのに、温まらない。ウェールズの岩山でくまと一緒に冬眠したいきぶん。あ、もちろんその場合はJOJくま希望です。あの美しい声で歌ってほしい。「This is the Moment」とか「蜘蛛女のキス」とかね。絶対眠れそうにないけどね(笑)