今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

「オペラ座の怪人新演出UKツアー3月13日World Premiereナイト」舞台レポートPart2~ファントムのLair~「イルムート」~(ネタバレ注意)/アールせんせいファントムも素敵だった

昨夜は初めてのアールせんせいファントム。2007年冬にHer Majesty劇場でオペラ座を観たときはパンフレットの名前はアールさんになっていたけど、ちょうどRaminさんに代わったばかりだったので観られなかった(でもラミさんファントム、凄かった)。プリマスでJOJファントムの魅力にもうDesperatelyにとらわれてしまっていて、一瞬でも記憶を消したくないのでちょっと躊躇したけど、でもやっぱり見逃すわけにはいかない。StallsF列中央。観客のマナーはとてもよい。携帯の音もしないし、がさごそするひともまったくいない。年齢層も高く、みな静かに舞台に集中している。
 
結論:素晴らしく素敵なファントムだった。JOJさんともラミさんとも違う独特なファントム。SDで拝見した素顔は決してハンサムさんじゃないのに(笑顔がくしゃってしてた)、お顔もJOJさんより大きいのに(殴)、すっごい素敵。どっかのくまヴィジュアルのファントムとかなり違う。この立ち姿の決まっていること。メイクも似合っている。動きにキレがあるファントム。手の動き(ファントム手にはウルサイの^^;)も抜群。クリスに寄せている手の温度が感じられた(しっかりカラダに這わせてる)。首に手を回して「Floating」ってほんとあれじゃ確かに浮ぶよ、無意識の海に。「Red Death」で登場したときのカラダの傾け方!運動神経もかなり良い感じ(ひざでずりずりしてすっと立ち上がったりする)。私はマイケル・クロフォードさんを連想してしまった。まさにプロ中のプロの舞台役者。そしてなんといってもこの劇場!Her Majestyこそ「オペラ座の怪人」が上演される「べき」場所。世界中に劇場はやまほどあるけど、愛するファントムがいるべき場所は19世紀のパリオペラ座とここしかない。
 
でもそのどちらにもいないんだけどね、JOJファントムは・・(まだ言ってるし)
 
アールさんファントムは17日のマチソワも観るのでまたゆっくりと書きたい。マリア・ビョルンセンの創りだした世界のことについても、新演出との私的な対比についても。
 
さて13日のワールドプレミアナイトの舞台レポの続き。このあと観た14日と15日2回の演出はほぼ固定された感があるのでこれをピックアップしてみても大きな違いはないだろう。それにしてもプレビュー期間中とはかなり変わったなあ・・。
 
~Part2 ファントムのLair~支配人のオフィス~
 
クリスが目覚める。ファントムのLair。青が基調の照明。夜空に浮ぶ無数の星のように光がきらめく。HM劇場でマリアが創りだしたシーン(ファントムのボート。下からキャンドルがせりあがってくるところ)できらめいていた光と同じ。ファントムは作曲中。タキシード姿のまま。楽譜を手に羽根ペンであれこれ書き込んだり、考え込んだりしている。書き上げたお手紙もチェック。キャンドルの火で封筒を蝋シーリングしている。オルゴールは机の足元におかれている。台形の箱のふたがあいて、猿が出てくる。メロディが流れ、クリスがおきだしてくる。
 
ファントムが仮面を外している。瓶に入った薬(オイル?)を布につけて顔右側の爛れをケアしている。布にうっすらと血がついている。痛そう・・。クリスが仮面を取り上げてしまう。「Curse YOU!」と激怒するファントム。床に倒れこむクリス。JOJファントムの慟哭が続く。「Secretly..Secretly」。ひたすら「美」を夢見るファントム。「dreamed of beauty」でベールを手にとる。泣いている。JOJファントムが泣いている。
 
仮面を返すクリス、付け直して立ち上がるファントム。「We must return」クリスに手を差し伸べるファントム、躊躇するクリス、催促するように手を取って奥へと消える二人。
 
両脇から柱が回転して出てきてLairを隠してしまう。右側の柱が正面に回り、上の回廊にブケーの姿がある。下の回廊のドアが開くと豪華な支配人のオフィス。基調は赤。ポスターに使われている素敵な色。壁はテキスタイル。下手に机、壁には絵が飾られている。彫像も置いてある。
 
前夜GALAナイトの成功に喜ぶ支配人たち。しかしファントムからのお手紙に翻弄されている。傘持ったラウルがやってくる。カルロッタとピアンジも。カルロッタのドレスは紫と黒が基調。こちらもファントムの手紙に怒っている。ごきげんとりに走る周囲。
 
サラリーどうした?カルロッタ変えろ、クリスを主役に、Box5空けとけetc., etcファントムの声とオーバーラップする。上の回廊を見上げるとファントムの姿が。帽子かぶっている。たぶんダミー。カルロッタ怒りまくる。支配人なだめる。舞台にファントムの気配がするときはほとんどの場合、我々の視界に入るという今回の演出。より人間っぽくリアルな存在に描きたいのか。 再び柱というか塔が回転し、紫を基調としたセットが出てくる。「プリマドンナ」の曲に合わせてカルロッタがついたての陰でお着替え。ドレスやお花が運ばれてくる。壁には「AIDA」のポスター。支配人、マダムジリー、メグ、ラウル、カルロッタが並ぶ。「once more..」で全員盛り上がる。「ファントムの声が聞こえる「diaster beyond imagination..言うこと聞かないととんでもない災難が振りかかるぞ」。幕が下りる。赤い豪華なテキスタイル。天使やガーゴイルが描かれている。天使のひとつが仮面を持っている。
 
ステージに火が入れられる。幕が上がる。バルコニーが両脇に移動してくる。ラウルはBOX5。正面が「イルムート」の舞台。バックは3面のパネル。19世紀フランス貴族を描いたルノワールっぽい図柄。ベージュとえんじで描かれている。うう、説明しにくい。ワシントン郊外にあった私の家のバスルームのひとつの壁紙がこんな感じだったんだけど。上手にハープ、中央にソファ、下手に鏡台とアーモワールがおかれている。オリジナルと同様に3狂言役が3人出てくる。クリスがハープをおそうじしている。妻を監視したい夫がアーモワールに隠れる。 楽曲はオリジナル通り。
 
「BOX5は空けておけと言っただろう」ファントムの声が響く。ファントムのシルエットが映る。シャンデリアが点滅を始める。カルロッタがカエルの声になる。舞台大混乱。幕が下りる。支配人が「代役としてクリスティーヌ・ダーエが演じます。まずバレエをご覧ください」とアナウンス。スクリーンとバレエダンサーが登場する。舞台上手にブケーが立っている。帽子とエプロンを身につけたファントムがすっと近づく。後ろに回り、素手で絞殺する。ブケー倒れる。しかしこれはたぶんセットの不具合のせいで、本来はブケーを羽交い絞めにして、陰に引き込み、Magical Russoを首にかけハンギングして立ち去る演出。14日以降はそれだった。叫び声が上がる。クリスティーヌが屋上に逃げてくる。追いかけるラウル。
 
彫像は3つ。中央が立ち像、両脇は座っている。中央の天使は竪琴を頭の上に掲げている。竪琴の形はロンドンHer Majesty劇場の舞台を囲むセットについている装飾と同じもの。これはアポロンの竪琴らしい。シロさまにツイッターで教えてもらった。これもマリア・ビョルンセントリビュートのひとつ(たぶん)
 
3月24日追記:この屋上のシーンで使われている彫像はパリオペラ座ガルニエのてっぺんについてる彫像と同じデザインでした。なんで気がつかなかったんだろう、じぶん。ガルニエ大好きなのに。↓の写真だとよく見えないけど中央の彫刻です。