今日も明日もJOJさんとか色々と

ジョン・オーウェン=ジョーンズさんをLove&Watchしてます。その他のネタも多し。

May 7(Mon)「ニーベルングの指輪第一夜ワルキューレ」/カウフマンの代役も素晴らしかった/1年待ったけどこの生舞台を観られてよかった!

「ああ、1年待ったけどこの舞台を生で観られて本当によかった!」ココロからそう思いました。なんという素晴らしい舞台だったのでしょうか。今朝になってもあのラストシーン、横たわるブリュンヒルデを囲む火のように燃える岩とその前に立ち、大槍を振り上げるヴォータン(by ブリン・ターフェルさん)の姿が忘れられません。銀と赤と紫青に彩られた世界。ワーグナーの夢のかけら。どうしてもそんな風に見えてしまう「ワルキューレ」の世界。

ジークムント役を演じる予定だったヨナス・カウフマンが病気により降板。生舞台で彼を見るのを楽しみにしていたのでそれはもうがっかりして、乗る飛行機を間違えそうになるくらいの衝撃でしたが、いざ舞台が始まってみたらそんなこと一瞬で吹っ飛びました。代役で登板したStuart Skeltonさん。もーこの方、素晴らしかったです。体型はなんというかまあ馴染みの?くま一族で、カウフマンのあの繊細で美しいジークムントとはタイプがかなり違ってましたけど、歌唱はもう素晴らしかった!ワルキューレの一幕はもう3人(ジークムント、ジークリンデ、フンディング)しか出てこないようなもんで、特に上記二人はほぼ歌いっぱなしです。だけどこのスチュワートさん、高らかに歌い上げ、全く声量が落ちない。ハイトーンの部分に来ても余裕ありあり。そしてこの情感のこもってることといったら・・。「ワルキューレ」でこんなに泣けたのは初めてでしたよ。一幕終了後に既にBravo!の歓声が上がり、再び登壇。大きな拍手を浴びてたスチュワートさん、とても嬉しそうでした。

ストーリーはよく知られてるのでここでは詳しく書きませんけど、ニ幕ではいったんはジークムントを助けることにしたヴォータンが妻フリッカに説得されて、結局彼の剣を破壊してしまい、ジークムントは死を迎えうてしまいます。その前にヴォータンの娘、ワルキューレブリュンヒルデが「ジークリンデを置いてじぶんと一緒にヴァルハラ神殿に来い」とジークムントを説得しにやってくるのですが、彼はきっぱり断ります。ここのくだりで私は涙がだーっと出ました。「そこでは娘たちが自分に微笑んでくれるのか」ブリュンヒルデが答える。「ええ、微笑んでくれます」。「兄妹である我々二人を迎えて入れてくれるのか」と質問するジークムント、哀しそうで、でも少しの希望も込められている。ブリュンヒルデの答えは聴くまでもない、そして答える。「では私はヴァルハラには行かない。ここで戦う。この剣で。」

泣けましたよ。この二人の運命に。

三幕冒頭はかの有名な「ワルキューレの騎行」。ここの演出は今回の指輪シリーズでも大きな話題になりました。以前はYTで映像あったんですが探せない・・。この板が馬の代わりなんですよー。これにワルキューレたちが乗ってて上下するんです。そして舞台に滑り降りてきてHOYO TOYOです。あーもう忘れられないです。じぶんてきには「ラインの黄金」のヴァルハラ入城とともに、いちばん生で見たかったシーンです。ああ、もうしびれました。じぶんの眼でみているものがシンジラレナイというこのパラドックス。そういえばほんの2ヶ月前にも英プリマスであったっけ。「オペラ座歌人」新演出。JOJさんファントム。そんなこともアタマの隅をよぎりながら観るワルキューレ。ほんとこれってルパージュさんしか思いつかなかったんじゃないだろうか。そしてこの24本の板(っていうの?柱?)の凄さたるや常軌を逸してます。ステージ遠くてもいいよ。今はMET会員じゃないしね。払いますよ、いつものチケの2倍でも。これを生で見るためならね。ああ、本当に至福の時間でした。
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終演後はロングドレスやフォーマルスーツに身を包んだたくさんのひとたちが待たせてある車に乗りこんだり、待ち合わせして夜の街に繰り出していきます。
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この24本の板?が自在に動いて怖ろしいほど美しいステージをつくりあげていきます。ルパージュさん、天才!

おまけ:「マノン」でディーヴァたちが着たドレス。オペラハウスの2階に飾ってあります。ピンクもありますが私は白いほうが好き。「マノン」は今シーズンは新演出になりましたね。観てないけど。
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もうひとつおまけ:NYでいちばん好きなカフェ「Manon Cafe」のホットチョコレート。私はこれが大好きで、よく行ったものでした。昔は別の場所にあったと思うんだけど(定かではない)、今はTrinity Churtchの側にあります。「レオニダス」のチョコレート一個つけてくれるのが嬉しい♪実は私のHNはここからいただきました。小説「マノン・レスコー」も大好きですけどね。
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