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「オペラ座の怪人」佐野正幸さんの演じるファントムは素晴らしすぎる/Majesticの舞台に立てると思うの/He deserves a fullhouse ovation

涼しい風の吹く9月2日日曜日の朝。昨日までずっと朝起きて一番先に飲むコーヒーは氷を入れてたけど今日からはホットのカフェオレです。特大カップに並々と。17日からまたしばらくニューヨークに行くのですが今回はかなり気がすすみません。日本での仕事がありがたいことに忙しいの。10月の改編でレギュラーが増えるし、それも私の好きなスポーツものなんでこのままここにいてその仕事やりたいのですよー。まあ11月末には戻ってくるけど何しろ一瞬先は何がおこるかわからない世界ですから、私らの業界。クオリティ落としたらすぐ仕事こなくなるしね。

まあそれはともかく「オペラ座の怪人」の話。同じような方はいっぱいいると思うんですけど私この作品に囚われております。JOJさんにどハマりしてこのようなブログをやってるのもひとえに彼が素晴らしい、というか私的に現時点世界最高のファントム役者であるがゆえ。初めて舞台を観てからかれこれ20年以上たってますが飽きるということはありません。BWやWEでいろんなミュージカル作品も見て感動の涙に震えることも少なくありませんでしたが、結局のところ私にとって「オペラ座の怪人」を超える作品はありません。作品の出来としては上をいく「レ・ミゼラブル」でさえ。

そういうわけでアツクルしい自分的こだわりのもとしつこく見続けてきてるオペラ座ですが、先週は思わずじぶんをグー殴りしたくなりました。劇団四季の「オペラ座の怪人佐野正幸さんの演じるファントム、もう超絶すばらしかったです。オペラ座フリークを自称しながらなんで私は今の今まで彼のファントムを観てこなかったのでしょうか。おそらく私以外のオペラ座ファンは既にご存知でおられる佐野さんファントム。以下私の勝手な感想ですが書かせてくださいね。あ、その前にオペラ座ファン的自己紹介(笑)1989年末か1990年に初めて観て作品の虜に。初見はあまりの衝撃に劇場の周りをただひたすらぐるぐる回りしたのをよく覚えてます。当時はSDに行くなんて発想はなく、というより誰が演じているかなんてことは興味は全くなく、ただひたすら「ファントム=オペラ座に住む怪人」の存在に囚われておりました。はい、それはもう長い間。93年からアメリ東海岸に住んでましたが子供が小さかったのでそうそう劇場には行けず。でもBWだけじゃなくナショナルツアーやラスヴェガスなんかもあったので結構観てたように思います。2002年に帰国してからも半年に一回位はいろいろご用があってニューヨークには行ってたので観劇はもっぱらBWでした。ロンドンに行ったときはもちろんWEで観ましたけど長年BWでファントムを演じたハワードさん(Howard Mcgillin)演じる「美形おとうさんファントム」がとにかく大好きで彼が私の作品解釈の帰結点になってました。2010年にJOJファントムに出会うまでは。

あ、2007年冬に観たラミさんファントムも凄くよかったですよ。キャストボードなんて全く観なかった私が写真をとってきたくらいなんで(SDにはもちろん行ってない)

で、佐野さんファントム。以前からツイッターのTLでそれはそれは美しい言葉で佐野さん愛を語っておられる方がいらして「あの彼女がそれほどまでに絶賛する役者さんってどんな方なんだろう」と思っていた。また豊富な観劇経験を持っておられて作品を観る眼が確かな方々も口々に褒めていらした。今年春に佐野さんがラウルを演じられたときに劇団四季オペラ座を初めて(スミマセン)見に行って、普段殆どラウルを観ない私が「わ、このラウルよいわ」と思ったんですけど、いやーファントムはそれ以上というかfar beyond my expectationでした。期待以上というにはまだ足りない、ほんとfar beyond。
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まず動きの「型」の美しさ。ファントム登場冒頭の「Mirror」のシーン。鏡の奥から現れてクリスを抱き寄せる手の動き。あの動きから既にズギュンと来た。個人的に「ファントムの手」というのはとても重要。どのみちメイクしてるから顔はどうでもいいのもあるんですが(実際にはあのメイクの印象は素顔によって変わるけどね)

歌唱というか声。中低音のあの響かせ方は凄い。私はオペラもそうなんだけどテノールよりバリトンによりしびれるタイプのせいもあるけど、佐野さんのこの音域はただひたすらBRAVO。ところどころオペラの発声と共通するところがあるよなーと思って後でツイ友さんに聞いたら芸大の声楽出身でいらっしゃるとか。なるほど。だからこの技量なのね。

高音はあまり出てなかった。もちろん外さないけどMOTNは苦しかったかな。でもそんなことはどうでもいいです。25thコンの4ファントムで歌うMOTNが許せないほど(JOJだけに歌わせてほしい)MOTN命!の私がそう言えちゃうほど佐野さんの中低音の歌唱は聴き応えがありました。

そして演技力。これはオペラグラスで観ていたのだけど顔の表情も目紛しく変わります。なんといえばいいのか・・苦悩、諦め、希望、嘆き、喜び。それが観ているものにダイレクトに伝わってくる演技。もちろん歌いながら。一幕Phantom`s Lair。クリスに取られた仮面を返してもらってから地上へ戻るぞ、と宣言するまでの一連の動き及びその間。あの間の取り方は今までみたことがないほど絶妙のタイミング。これ以上はないほどの。

続きです。今週も登板があるかと思ったらどうやらキャスト変更。佐野さんのファントムを先週拝めたのはラッキーだったみたいです。背中を押してくださったsachioさま、本当にありがとうございます♪

本当はもう一度観て私が長い間魅了されてきたBWのファントムとの比較をしてみたかったのですが今回は叶わず。今月下旬からしばらく日本を離れるので今年はもう無理かな・・

それにしても佐野さんファントムの動き=Movementの美しさは特筆すべきものがあると思う。たった1回しか観てないのに何をいうか、と自分ツッコミを入れたいところだが本当にそう思う。演技、と言うべきなのだろうか。もちろんそうなのかもしれないけど私には一つ一つの身体の動き方が非常に印象に残っている。手をあげる位置、クリスの腰に回す手の指の動き~震えているように見えた~クリスとの距離の取り方、etc.etc.

全く脈絡がないのだがロバート・ハインデルのデッサンも思い浮かべてしまった。なんでだろう。ハインデルの描いたファントムの絵(Her Majesty劇場のロビーに飾ってあるやつ)じゃない。バレエダンサーの動きを切り取ったシリーズのデッサン。佐野さんのファントムの動きがそんな絵の一枚一枚に見えた。

それと何故かわからないけど原作の「オペラ座の怪人」を思い出して仕方なかった。フランスの、パリのオペラ座にいるファントムのことね。これは今まで全く思ったことがなかったので自分でも意外だった。

また見たいな、佐野さんのファントム。この先は次に見た時また書き足します。